2009年11月12日 (木)

パオロ・ペンコさんのトンド・ドーニ。

Cd_001_3 先日、私のトンド・ドーニが完成した直後に、いろんな職人さんの作ったトンド・ドーニを紹介しようと思って、写真を探したんだけど、彫金家のパオロ・ペンコさんの作った銀の浮き彫りのトンド・ドーニの写真が見つからない。ペンコさんの切り絵を作った時に、確かに撮ったはずなんですけどね。切り絵にも入れてあるし。

上の画像の右側に注目。たくさん置いてある物の一つなんで、小さく描くしかなかったんだけど、トンド・ドーニだって事がかろうじてわかるかな・・・。

先程、ふと気になって、ペンコさんのHPを見ていたら、ありました!!ペンコさん作のトンド・ドーニ!「シルバーコレクション」のコーナーのメダルの所にありました。

前の記事で、ペンコさんのトンド・ドーニだけ、文章のみになってたんで、気になってたんです。やっぱり、このブログを読んでくれてる皆様にも見せたいので。と言うわけで、下の画像です。

7cmぐらいの大きさだったかな。ブログにアップした画像と同じぐらいの大きさになりますね。このサイズでこれだけ精密に再現してあるって、物凄いですよねDoni_4しかも立体だし。 幼児キリストの顔までちゃんと作ってあるもんな。

こういうのを見ると、やっぱ職人さんって凄いと思う。(月並みな感想だけど、その一言以外に何を言えようか・・・。)

良いものを見ると、頑張らなきゃって気になりますねえ。

名古屋の2人展の案内状はまだ余ってます。ご希望の方はメール下さい。

・・・だんだん、期日が近づいて来たなあ。

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2008年11月25日 (火)

ヴァイオリン職人 ステファノ・コニア

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名古屋の個展で公開した職人シリーズの内の1点。ヴァイオリン職人のステファノ・コニアさんです。サイズは100×55cm。けっこう大きいサイズですね。

バイオリン職人は今までも何人か作ってきましたが、全部フィレンツェに工房のある職人さんです。有名なストラディバリの生きてた時代はクレモナ近辺に良質の木材が取れたので、バイオリン作りが発展したのですが、流通が発達した現在ではクレモナでなくても良い楽器は出来ます。
でも「クレモナで制作された楽器」というのは一つのブランドですから。今後もバイオリン職人の切り絵は作りそうだけど、やっぱり1点ぐらいはクレモナの作家さんを描きたいなと思い、東京でバイオリンを売ってる店のオーナーに紹介してもらったのです。
頑固そうな親父さんですが、けっこう冗談を飛ばしてましたな。日本に帰国後にネットでこの方のバイオリンの評価を調べてみたけど、努力家だそうで現代の作家としては評判の良い職人さんでした。
床に描き込んである楽譜は実際にあるわけではないです。私のファンタジー。バッハの直筆譜のコピーを友達のバイオリニストにもらったので、それを描き込みました。毎回、バイオリンの工房の切り絵には楽譜を入れてるけど、かなり面倒くさかったっす。
この作品、11月初めの東京での弦楽器フェアに貸し出した後、名古屋の個展で展示したのですが、コニアさん自身が買ってもらえる事になりまして、個展終了後にイタリアに送りました。だから、今後の個展では出ません。(だからブログで公開する事にしたんですけどね。)
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2008年5月21日 (水)

彫刻鋳造工房 マリネッリ。

さて、アルノ川沿いの彫刻のお店、バザンティさんに紹介してもらった彫刻鋳造工房 マリネッリさん。ここはフィレンツェからバスで1時間ぐらいの所にあるバルベリーノ・バル・デルザという所にあります。その日、朝一番でバルベリーノに行ったのですが、ツーリスト・インフォメーションで場所を聞いてみたら、わからないと言われました。バルベリーノと言ってもけっこう広いから、端の方にあるらしく、むしろバスの終点であるポッジボンシの方が近いから、そちらのインフォメーションで聞いてくれと。納得しましたが、この辺のバスは1時間に1本なんですよね。

そこからまた20分ほどでポッジボンシに着いてインフォメーションで聞いてみたら「ここはポッジボンシだからバルベリーノの事は管轄外でわからない。」と言われました。ただポッジボンシとバルベリーノの郊外に工業団地があるので、多分そこじゃないかと教えてくれました。まあツーリスト・インフォメーションは本来旅行者のためのインフォメーションであって、工業団地を訪ねる旅行者なんていないわな、普通。

しかたないのでマリネッリさんに電話をかけて聞いてみたら「タクシーを見つけなさい。運転手に代われば行き方を説明してあげるから。」と言われました。えー、最初からそうすれば良かったんですけどね。知らない所に電話するのは緊張するのです。

そんなこんなで、ちょっとした冒険気分も味わったマリネッリ訪問。バザンティのオーナーさんが私の事を全部説明してくれてたようで、到着後もこれまでに無いほどすんなりと取材させてもらいました。一通り工場を一巡した後は「どこでも好きに撮ってかまわないよ。」というありがたいお言葉。遠慮なく撮らせてもらいました。

328_2というわけで1枚目は「まさにこれが見たかった!!」と思ってたミケランジェロのダビデ像。ブロンズ製ですね。昨日のブログの写真のように最終的には真っ黒になる。

大体の彫刻は分割して鋳造して、最後につなぎ合わせるのです。このダビデ像も溶接してる所ですね。336_2 

今回の取材では溶かした金属を流し込む鋳造の場面が見れなかったのですが、型というのは分割してある上にシリコンで囲ってしまうと原型が何かわからなくなるのです。だから切り絵にするのであれば、つなぎ合わせて形がわかる物を仕上げてる場面の方が面白いかもしれませんんね。

2枚目、珍しいアングルでしょう?

ダビデ像の頭です。イタリア行きの前に「ダビデ像のうなじを見ておいで♪」と言われましたが、うなじどころじゃないのである。このアングルだとつむじが見れます。

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3枚目はフィレンツェのメルカートヌォーボの猪。分割されてる様子が良くわかりますね。下あごや四肢がまだ付いてない状態。猪の向こうには台座があいます。こういう、オリジナルから型を取って鋳造しても彫りは甘くなるので、彫金刀や鑢を使ってシャープにする必要がある。作業としてはブロンズ職人と同じですね。

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4枚目はヴェロッキオのダビデ像。完成間近ですね。これはオリジナルの彫刻もブロンズ製なので、本物と見分けがつかないですね。同じのが何体もあるのはちょっと不思議な気分です。さっきのミケランジェロのダビデ像の横でも、もう1体作ってました。

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5枚目、女の子が作っているのはドナテッロのダビデ像の胸から上の部分。(ダビデ像ばっかしね。)赤いのは蝋です。これを型に貼り付けて行き、シリコンで覆う。

作業自体はブロンズの彫刻がこの世界に存在した時から同じ方法ですね。シリコンや蝋など、素材は現代の物なんだけど、技術自体は大昔から変わらない。日本のならの大仏も同じ技法で作られてるんですね。

6枚目はミケランジェロのピエタ。バチカンのサンピエトロにある彫刻ですね。オリジナルは大理石なので白いのですけどね。

水洗いした後の状態。ここまで来るとほぼ完成に見えるけど、これからまだ表面をバーナーであぶって焼き色を付けたりするんだそうです。598_2

最後に工房の皆さんと。640 丁度昼休みになったので、作業をやめてワラワラ集まって来ました。この工房では10人ぐらい働いてるかな。写真は私の作品のアルバムを見てるところです。「すごい事をやるんだねえ。」と感心されました。「いや、それはあなた達の仕事の方が凄いと思うけど・・・。」と言い返した。

みんな性格の良さそうな人たちでした。作ってる物も凄いから働いてて楽しそうだし・・・。

切り絵やめて、いっそここに就職したいと思いました!!

いや、別に彼らから「ここに就職しない?」と聞かれたわけじゃないので、勝手にそう思ったんですけどね。

ともあれ、想像以上の良い物を見せてもらったので、地に足が着いてないほど大喜びして駅への道を歩きました。行きはタクシーだったけど、2キロ程度まっすぐ歩くだけだったので。

今回のイタリア滞在での取材はここで終了。合計8軒、良いものをたくさん見せてもらいました。11月の名古屋、来年の秋の東京の個展に向けて、目の前にある物を全部吹っ飛ばすぐらい凄い作品を作ろう♪

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2008年5月20日 (火)

彫刻複製工房を訪ねる。

Firenze022 今回の取材の目玉。アルノ川沿いに「バザンティ」というブロンズと大理石の彫刻を売っている店があります。オリジナルの彫刻から型を取って複製するので、店内にはフィレンツェはもとより、イタリア各地で見られる有名な彫刻が所狭しと並べられています。川沿いにあるので外からも見えるし、松山猛さんの本「ヴィヴァ!イタリアの職人たち」という本にも紹介されています。ここ数年この工房は是非取材したいなと思っていたのですが、扱う物があまりにも高価なため気後れしていたのです。

このブログでは、いかにも簡単に取材してるように思えるでしょうが、工房のOKをもらうのはけっこう大変なんです。最近は中国人がコピー商品を作ったりするので、スパイと勘違いされて断られたりします。実は今回の滞在でも5軒取材出来なかった工房があるのです。(5軒全部がスパイ扱いされたわけではないですけどね。工房が修復中で不可能だった工房もあります。)扱っている物が高価だと店の秘密もあるでしょうから、ガードは固いでしょうね。

画像はミケランジェロのダビデ像のコピー。オリジナルは大理石ですがブロンズで置き換えられるとこうなる。白いダビデ像も美しいが、漆黒のダビデ像も素晴らしいね。流石にお店には実物は置いてなかったけど、この写真がお店に飾ってあったのです。こんなのばっかり置いてある店なのです。イタリアの職人仕事の中でも最も高価な物を扱ってるでしょうね。このダビデ像、何億円するんだろう・・・。

多分断られるだろうなあと思いつつ、駄目で元々だと開き直って、日本から取材のお願いの手紙を出しておいた。(この手紙を書くのに相当苦労しました。かしこまった文章を書くのは日本語でも疲れます。)で、フィレンツェ到着後、勇気を出して訪ねてみました。

お店には松山さんの本にも登場してたオーナーの方がいました。ああこの方だなと思い挨拶しました。手紙は無事に届いてたようで、すぐにOKを出してもらいました。

・・・「案ずるより産むが易し」とはこの事だな。ただ彫刻の複製はこの工房で行っているのではなく、フィレンツェ郊外のバルベリーノ・バル・デルザという所にあるそうです。確かに溶かした金属を型に流し込むなんて事はフィレンツェの街中では出来るわけないですね。アルノ川沿いの店は工房ではなくショウルームという事でした。その場で鋳造をやっている工房へ電話を入れてくれて、予約までしてもらいました。工房の名前は「マリネッリ」。3日後に取材に行く事になりました。どんな光景が見れるのかワクワクしつつ店を出ました。

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2008年5月18日 (日)

バイオリン職人 ステファノ・コニア

1077 7軒目の職人さんです。バイオリン職人のステファノ・コニアさん。

昨年11月に東京で開かれた弦楽器フェアでバイオリンの販売店「イル・ヴィオリーノ・マジコ」サンと知り合いました。これまでにもバイオリン職人の切り絵は何度か作ってましたが、全部フィレンツェで働いている職人さんでした。やっぱり一度はバイオリンの本場であるクレモナに工房を構える職人さんを取材したいので、「どこかクレモナに絵になる工房は無いでしょうか?」とマジコさんに問い合わせた所、この方を紹介してもらいました。

クレモナは初めて行きました。フィレンツェからだと1回か2回電車を乗り換えて4時間ぐらいの所ですね。初めての土地なので旅行気分で楽しかったですね。上の写真はクレモナのドゥオーモ(町の一番重要な教会)です。ドゥオーモ前の広場からは大き過ぎてカメラのフレームに収まらない。

クレモナの町は古い部分と現代的な部分が上手く調和していて、落ち着いた良い町でした。住みやすそうでしたね。

で、当然バイオリンの制作で有名な町なので、バイオリンを担いだ人をよく見かけました。

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下の写真がステファノ・コニアさん。40年同じ場所でバイオリンを制作されてます。一見、無愛想な感じに見えましたが、時々冗談を飛ばしてましたな。

今年も11月に開かれる東京の弦楽器フェアには行かないつもりだったらしいのですが、(飛行機が疲れるから嫌なんだそうです。)私と話してるうちに気が変わったみたいです。

「弦楽器フェアで会おう。そして一緒にSAKEを飲もう!」と言われました。

よっしゃあ!望む所だ!!まあ私は酒はそんなに飲めませんが、そのように言われたら何としてでも11月までに作品を仕上げて、弦楽器フェアに持って行こうじゃないですか!・・・しかし、これで3年連続でバイオリン職人の切り絵を作る事になるなあ。

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2008年5月17日 (土)

旋盤職人 マッシモ・カパンニ。

昨日からフィレンツェではコルシーニ庭園の職人展が始まってます。年々常連の職人さんが参加をやめていきます。(私もその内の一人ですね。)残ったので私の友達と言うと、彫金のペンコ、ぺステッリ、ガラスのロッキ、ブロンズのバンキ、ブロンゼット、銀のフォリア、陶芸のパンパローニ、以上7軒ですか。ずいぶん少なくなったなあ。今年は私の紹介でフィレンツェモザイクのマルッチさんも参加してます。共同で展示している友達のyossyさんが職人展のレポートをしています。これでどんな感じかわかりますが、この5年ずっと参加して来た展示会なので、外から様子を見るのは変な感じですな。ちょっと寂しいかも・・・。

何となく声が聞きたくなって(我ながら女々しいなあ。)yossiさんやペンコさんの弟子のAさん、フォリアのMさんに電話してみました。なんか楽しそうだったなあ。オレ抜きでお祭りをやってるみたいで、やっぱり寂しいですねえ。まあ参加するとなると手間とお金がえらい事になるわけですけどね。

1399 気を取り直して職人さんの紹介をば。6軒目の職人さんは旋盤職人のマッシモ・カパンニさん。

旋盤とは軸に工作物を固定して、回転させた物に刃物をあてて切削したり、圧力を加えて変形させたりする機械の事です。軸に対して対称の物(つまり円形の物)を作るわけですね。

ここは銀細工のフォリアさんの紹介です。フォリア工房では銀のカップやボウル、皿なんかにタガネで彫刻をして行くのですが、その原型となる物をマッシモさんが作ってます。下請けの職人さんなので表に出て目立つという事はないのですが、彼らがいてこそ職人の文化が支えられていると言えるでしょうね。

写真ではわかりにくいのですが、旋盤の機械を動かす時は振動がすごいので、機械に体をベルトで固定して作業します。また右胸には革のあて物をしています。中世の鎧みたいですね。最初、平べったいディスク状の金属板が、みるみるカップ状に変形して行くのは見ていて面白かったです。ただ、それをどう切り絵で表現するのか難しいでしょうけどね。

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2008年5月16日 (金)

チェンバロ職人 二コラ・パオリ

994 職人シリーズ用の取材5軒目。チェンバロ職人の二コラ・パオリさん。

チェンバロは16世紀にイタリアで発明されたピアノに似た楽器です。とても繊細な音が出ます。

この方の息子さんの彼女がミクシィをやってるのですが、偶々その方のページを見てみたらプロフィールの欄に「チェンバロ職人と一緒に住んでます。」とあったので、早速メールを送りました。その結果、取材させてもらう事になったのです。ミクシィは便利だねえ。

フィレンツェからバスで50分ぐらい行った所のサン・ドナート・イン・コッリーナと言う所に住んでいます。フィレンツェからこれぐらい離れると完全に山の中。曲がりくねった山道をバスは進む。フィレンツェって山に囲まれた盆地だったんだという事を再確認しました。 下の写真がニコラさんの家の近くから見たフィレンツェ。真ん中左よりに、白く小さく光って見えるのがアルノ川です。1025

ニコラさんは小さい城のような家の一室を工房として使ってました。建物が古いせいか、穴倉のような印象を受けました。この日は紹介してくれた息子さんの彼女は不在。私とすれ違いでフィレンツェに行ってたんだそうです。結局会えずじまいでしたね。挨拶ぐらいはしたかったのですけど。まあ次回イタリアに行く時はお礼をしよう。

話をしてみると、いろいろ共通の知人がいました。バイオリンのベットーリさんは同じ楽器職人だから知り合いでも不思議じゃないけど、禅をやってて日本語を喋るおばちゃんの事も知ってたのには笑いました。久々にその方の名前を聞いたので。フィレンツェは狭い町ですな。

どうもこの方は粗忽な人みたいで、写真を撮る前にちょっとだけお喋りをしたら夢中になって話が止まらない。で、一息ついて「ところでコーヒーのみに行かない?」と言われました。

コーヒーは良いんですけど、まず写真を撮らせてもらわないといけないのです。フィレンツェに戻るバスもそんなに本数無いし。「あの、まず写真を先に・・・・。」と言ったら「ああ、そうだった。」ですって。取材が終わった後、バールにコーヒーを飲みに行ったのですが「そうだ、コーヒーを買わなきゃ。」と言い出した。家で飲むコーヒーが足りなくなったんだそうです。で、結局コーヒーを買い忘れてバールを出て来た。・・・お茶目。

上の写真は弦を張っている所ですね。あまり写真を撮られることに慣れてないようで、どうしたらいいのか戸惑っている様子だったので、「いつも通り普通に」働いてもらいました。働き出したら真剣そのもので、大変良い写真が撮れましたな。チェンバロも絵になるし、良い作品が出来そうです。

ニコラさんの工房を辞去してフィレンツェに戻ったら夜20:00でした。けっこう遠かったなあ。でも何故か次の日にフィレンツェのドゥオーモの前でニコラさんと会いました。広いのか狭いのか、わからん土地だなあ。

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2008年5月15日 (木)

ブロンズ職人 ランベルト・バンキ

Banchi004 南イタリア・ローマ旅行からフィレンツェに戻り、取材活動を再開する。

ブロンズ職人 ランベルト・バンキさん。写真は5年前の職人展で彼らのブースで撮ったもの。ブロンズや真鍮なんかでいろんな物を作ってます。写真のフレームが人気商品ですね。

バンキさんについては、このブログでも度々登場しているので、こちらこちらをご覧下さい。

バンキさんの切り絵5年前に制作しています。ただ実験的な作品なので、当時からどうも気に入らなくて・・・。いずれは再挑戦しようと思ってたんですけどね。

「絵になる工房で、絵になる職人が、絵になるポーズ・絵になる角度で、絵になる物を作る。」とこれらの条件が全部そろうと良い作品が出来ます。そうそう私の都合の良い場面に遭遇するのは滅多に無いのです。だから作品にする時は良い作品になるように多少はアレンジするんですけどね。

バンキさんの所は上述の条件が全て揃っているのですが、それらが上手くかみ合った場面ではなかったのです。という訳で、時々彼らの工房に遊びに行ってたんですが、この3年間ほどは常にシャッターチャンスを狙ってました。

で、今回ようやく良い場面に遭遇しました。今このブログでその写真を公開してしまうとネタバレになるので見せないけどね。本来こうやって何度も通って、良い場面を待つというのが正しい取材ですな。フィレンツェに1ヶ月だけしか滞在しないので、そんなチャンスは少ないし、頻繁に出入りしては彼らの仕事の邪魔ですからね。いずれにしろ大変良い取材が出来ました。

ところでランベルト・バンキさんは最近「サン・ジョバンニ協会の職人賞」というのを受賞されたんだそうです。イタリアの新聞ラ・レプブリカのトスカーナ版にも記事が載ってました。その記事を読んでみたら「・・・受賞されたのはロレンツォ・バンキ氏で・・・。」と書いてありました。

「・・・誰?ロレンツォ・バンキって?」

「いやあ、間違えたんだろうね。多分ランベルトもロレンツォもLで始まるから、パソコンにLを打った時に登録してあったのがロレンツォだったから出て来ちゃったんじゃないかと思うよ。」

と、息子のドゥッチョさんが笑いながら言ってました。・・・ロレンツォ・バンキさんだって。バンキ家第3の男かよ?って言うか、ラ・レプブリカは全国紙なんだから間違えんなよ・・・。

この話を彫金家のパオロ・ペンコさんにもしたんです。(バンキさんの受賞した盾はペンコさんが作ったのです。)

「なんだ、そんな程度か。これを見ろ。」

と言って雑誌を取り出した。見ると1ページ丸ごとペンコさんの記事。

「ここを見ろ。Paolo Pemko(パオロ・ペムコ) Paolo Pnko(パオロ・プンコ)  Paolo Pinko(パオロ・ピンコ)Palo Penko(パロ・ペンコ)・・・。こんなにある。」

誤植だらけの酷い記事でした。この手のミスがイタリアでは非常に多い。まあ一々気にしてると、やって行けないんだけどね。

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2008年5月 8日 (木)

カルタペスタ職人 ガッリ家の人々。

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  オトラントの遠足からレッチェに戻り、午後はレッチェの職人さんの工房の取材。レッチェまで来た以上、新しい職人シリーズのネタを仕入れて帰りたいですからね。

レッチェというとカルタペスタが有名です。紙で作る人形の事ですね。

制作方法は、針金で骨組みを作り、わらを巻いた後、紙を貼っていく。表面を湿らせてから焼きごてで押し付けて行く。そうするとまるで粘土で作ったように表面がツルツルになり、しかも軽くて丈夫な物に仕上がる。だからこの方法で作られた人形をカルタ(紙)ペスタ(押しつぶす)と呼びます。ただ全部紙製というわけではなく、顔や手、人形が持っている小物なんかはテラコッタに着色してるんですけどね。

取材した工房はマルコ・ガッリさんというEさんの友達の工房。彼のお父さんエウジェニオさん(写真の右側で電話をしている人物)が代表者です。エウジェニオさんが顔を作り、エウジェニオの妹のリタさんが紙を貼る。娘のラウラさんと最近結婚したご主人のロイさんが油絵の具を使って着色。マルコさんが仕上げを行います。家族内で分業してるんですね。マルコさんは仕上げだけでなく、他の作業もほとんど全てやっちゃいます。312

」この部屋の地下にも工房があって、そこでは木工と石工の為の機械が置かれています。飾り台なんかは木で作るんですけどね。では石は何に使うかと言うとカルタペスタとは関係無くて、レッチェで採れる石を加工してランプを作ったりするのです。これはマルコさんが趣味でやっているそうです。成る程、そういえば店のインテリアとして所々にレッチェ石のランプが置いてありましたな。

このレッチェ石を使ったランプもカルタペスタと並んでレッチェの名物なのですが、今回の滞在では職人さんが見つかりませんでした。残念。

でもマルコさんのように、全然違う素材を使いこなす職人さんも珍しいですね。年齢もまだ33歳と若いので、これから何か新しい物が生み出されそうな気がしました。

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2008年5月 4日 (日)

マーブルペーパー職人 マリア・ジャンニーニ

037 フィレンツェ到着後しばらくは挨拶回りに忙しい。友人、知人、日頃お世話になってる職人さんや昨年取材させてもらった職人さん等。挨拶回りだけで3日ぐらいつぶれます。帰国前にも挨拶回りをするのですが、一度数えてみたら一日に17軒回った事がありました。コーヒーをご馳走してくれる職人さんも多いので、ありがたく頂戴してると腹がダボダボになります。

切り絵が完成した職人さんにはA4サイズにプリントした写真と和菓子をお礼に持って行ってます。私が持って行く和菓子は地元の老舗、備前屋の銘菓「手風琴のしらべ」。パイ生地の中に餡子が入ってて私の好物です。イタリア人にも受けてますよ。

さて、そのように再会した職人さんの一人、エンリコ・ジャンニーニさん。昨年取材させてもらいました。(切り絵のほうは今年の2月に完成させました。公開は11月の名古屋の個展にて。)この方はフィレンツェのピッティ宮殿の向かいにある文房具屋さん「ジュリオ・ジャンニーニ父子商会」の代表でしたが、店を娘に譲って自分は近くに工房を開けて自分の好きな仕事だけやってます。理想的な職人生活ですね。

彼らの店で扱う商品はフィレンツェペーパーで装飾した文房具です。日本でも有名なお店ですね。実は現在は文房具屋さんとして観光客でにぎわっていますが、元々は製本行が本業なのです。製本と言っても普通の本屋さんで売ってるような本ではなく、一冊ずつ手作りされた革で装丁され金箔で装飾された豪華本です。

エンリコ・ジャンニーニさんの切り絵は製本職人として制作したので、では今年はフィレンツェペーパーの制作風景を娘のマリアさんで切り絵にしようと思い、エンリコさんに紹介してもらいました。気風の良いおねえちゃんって感じの方でしたね。後日、店を開ける前にフィレンツェペーパーの実演をしてもらいました。いろんな工房を訪ねたけど、開店前に入れてもらったのは初めてだなあ。

墨流しの要領で海草で作った糊を溶かした水に絵の具を数滴たらし、針や櫛でチョチョイと模様を描いて紙をあててローラーで巻き取ると出来る。上の写真は櫛で模様を描いているところですね。下の写真が完成品。これは孔雀の羽のような感じですね。この他にもいろんな模様があって、大理石のような模様も出来るので、別名をマーブルペーパーとも言います。

Img_3314 ジャンニーニさんのお店は創業は1856年。上の写真でマリアさんが働いているのはお店の2階、別室には150年前から保存されている製本の機械が並べられていて博物館のようです。

滞在後半、近くの廃教会で職人仕事の講演会みたいなのがあって、エンリコさんもフィレンツェペーパーの実演をやってたので見に行きました。エンリコさんは大勢のお客さんに囲まれてたんだけど、私の姿を見て手を上げて会釈してくれた。他のお客さんは一斉に私を見るので、私は手を上げたまま固まっちゃいました。何か気恥ずかしかったですねえ・・・。

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