2020年7月 6日 (月)

私の挑戦

フィレンツェ賞という公募展に作品を出しました。

https://www.komeri.bit.or.jp/setsuryosha/event/firenze/index.html

私がこれまで獲得した賞って、13年も前ののコルシーニの職人展のグランプリと、8年前の豊田市の文化奨励賞ぐらいです。
いい加減、何か履歴に書ける賞が欲しいなあってんで、だいぶ前から公募展に出したかったんですよ。
年間の展示会の数が多過ぎたんですかね。

なので昨年は名古屋の個展は休み。今年からはデパートのイタリアフェアの参加も止めたんです。
しかし、引っ越して結婚式の準備とか、昨年も今年も入院して目の手術したりで、なかなか時間が出来ないなあと。
こりゃ、今年も公募展の参加は無理かなあ・・・・。

じゃあ、この先もずっと無理じゃん!!

って事になるので、気合入れて作りました。

この一年間で私の作品についてはかなり話し合いました。
公募展に出すならイタリアの職人シリーズ一択。
やはりこれが一番私の世界を表現出来る。
そしてモデルには私と縁の深い職人さんを。

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という訳で、フィレンツェモザイクのロベルト・マルッチさんにしました。画像は半分近く色が入った所です。
思えば、この方の工房に出入りしてたから、鹿児島の古畑夫妻とも仲良くなって、鹿児島で個展をする事になって、今は結婚して鹿児島に住んでいる・・・。私の人生が変わったきっかけになった方ですね。7年間に亡くなられたので、私が鹿児島で個展をしたのも知らないのですけどね。・・・ああ、偶々ですけど、制作中にこの方の命日がありました。向こうでも元気にやってるでしょう。多分。

サイズは145,5×145,5㎝。これだけ大きいサイズの作品は初めてです。
机に乗らないから床に置いて制作してたんだけど、腰が痛いのなんの。
更に搬入にかかる日数を間違えていたので、予想してた締め切りが2日も短くなった。
搬入前の3日は一日の睡眠時間が2時間。最後は徹夜で意識朦朧で筆を動かしてました。
疲労困憊。自分の全力以上に出し切ってカラカラになってました。

作業中には華さんから何度もダメ出しアドバイスをいただき、作品を張り付けるパネルを作ってくれて、梱包をしてくれて、軽トラを出して運送会社に運んでくれました。私一人では参加する事さえ無理でしたね。感謝感激でございました。

で、昨日公式HPに結果が出てました。
私は佳作でした。
4名の入賞、その下に8名の佳作。
残念ながら入賞は出来ませんでしたが、初めての公募展で、しかも絵画の公募展に切り絵で参加って他流試合みたいなもんです。
上々の結果ではないでしょうか。

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昨日の夕食は古畑夫妻のお店、Il cipressoでお祝いでした。古畑さんにマエストロの画像を資料として提供してもらったから報告も兼ねて。美味しかった~。

入賞は出来なかったものの、評価はしていただけたという事で、来年も挑戦する事にしました。
より上の結果を目指して頑張ります。

 

 

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2020年5月 9日 (土)

子供の切り絵2点

目の手術後に仕上げた作品です。

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昨年の夏に白内障の手術をした時に同室だった宮崎の井上さんからの注文です。
ご長男の卒園記念です。
A5サイズです。

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もう一点は昨年高松三越のイタリアフェアで知り合った樫塚さんからのご注文です。
双子のお孫さんです。
サイズは20×20㎝。

今後自分の目がどうなるのか悶々としている時期にこれらを作りましたが、子供さんを切り絵にするのも良いものですね。
希望を持って元気でいなきゃって気分になります。

さて、例年なら3月末に豊田市の個展、4月末には高松三越のイタリアフェア、今頃は広島三越のイタリアフェアに参加してる頃です。
加えて、今年は鹿児島に居るのでナポリ祭りにも参加する予定だったんですけどね。(友人の古畑夫妻が屋台を出すので、皿洗いをさせるつもりだったらしい。)

しかし、このコロナのせいで全部吹っ飛んじゃいました。いや、まあ、この時期に無事に目の手術だ出来ただけでもラッキーでしたけどね。そしてイタリアではイベントどころじゃなくて、一カ月以上も都市封鎖が続けられて、全ての人が不自由な生活を強いられてました。
しかし、そんな中でも職人さんたちは制作を続けてるんですよね。むしろ、この時期だからこそ普段は出来ないような手間をかけて素晴らしい作品を手掛けている。インスタやフェイスブックで流れて来る彼らの作品を見る度に刺激をもらってました。

実は私もつい最近まで自主的に隔離生活をしてたんです。目の手術は愛知県でやってもらいまして、手術後は目の中にガスが入ってるので、新幹線で名古屋から鹿児島まで帰って来ました。
新幹線の中ではマスクして使い捨て手袋をはめてました。鹿児島中央駅に到着したら華さんが着替えと靴を持って待っててくれまして、すぐ着替えてそれまで着てた服と靴はゴミ袋に入れて廃棄。更に作業部屋のあるレトロフトまで歩いたんですけど、作業部屋の入り口で履き替えたばかりの靴も袋に入れて廃棄。
あとは部屋に籠って一歩も出ず。食料品なんかは華さんが持って来てくれるので、袋に入れてドア横のフックにかけてもらい、華さんが立ち去ってから表のドアノブに触れないように、ドアの外には一歩も出ずに袋だけ上手に外して部屋に入れてました。

これだけやれば、万が一移動中に感染してるとしてもウイルスをばら撒く事は無いだろうと。

半月の間、何事も無かったので大丈夫だろうって事で最近ようやく外に出るようになりました。昨日は術後3週間の検診で経過は順調だそうです。ただ、右目の視野で欠けた部分はまず治らないでしょうし、ある程度回復するにしても最長で2年と時間はかかるそうです。
目に関しては無理をせずにやって行こうと思います。

で、久々に華さんと会ったので色々と話をしてたんですけど、「いい加減、職人シリーズやりなさいよ!」と言われました。

多くの職人さんたちが腕を磨いてる中で、小さいのばかり作っててもなあ・・・ってのはあったんですよね。(勿論、小さいからと言って手は抜いてませんけど。)
私の作品で一番自分と向き合ってるのは職人さんたちの世界なんだから、今やらなくてどうするのよと。

こういう話が出来るからこそ、この人と一緒になった甲斐があるなあと思いました。

という訳で、今日から始めました2年ぶりの職人シリーズ。

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フィレンツェの椅子職人、アレッシオ・ペトラルキさんです。今回は35×35㎝と小さ目のサイズですが、おいおい大きいのも仕上げて行こうと思ってます。

本気出しますか!!

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2020年3月22日 (日)

誕生日でごわす。

火曜日から華さんを鹿児島に放置して愛知県豊田市の実家に戻ってます。別に夫婦喧嘩の末に実家に帰って来た訳ではありませんよ。私にも色々用事があるのです。

で、今日は私の49歳の誕生日です。40代最後かあ・・・。悔いの残らぬように頑張らないとね。

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だいたいの用事は済ませたので、今日はノンビリと図鑑シリーズを作ってます。今年も50点作ってトータル800点が目標。

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たまにはケーキぐらい買うかなってんで、実家の近所の美味しいと評判のお店でケーキ買いました。・・・今年の誕生日も独身時代と変わらんなあ。

明日の飛行機で鹿児島に戻ります。

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2019年9月25日 (水)

La speranza ~希望~

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フィレンツェのミケランジェロ広場からの眺め、50×100㎝、完成しました。

切り終えた後に白内障の入院と手術、退院後に部品を作って貼る作業となりました。 

あえて手間をかけよう。
あえて面倒な事をしよう。
あえていらん事をしよう。

これまでと目の使い方が変わったので不安もありましたが、基本に立ち返ればこの程度のハンデは克服出来る。まあ、目が疲れやすくなってるので今回は大変だったけどね~。

左下の建物や木々を貼ってアルノ川を貼る。次に川沿いの建物を貼って、奥へ奥へと仕上げて行く。何だかドゥオーモに向かって歩いて行くような気分になりました。

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ふと思ったのが「ああ、これは私にとっての希望の風景なんだな。」と。

ミケランジェロ広場に立って、フィレンツェ全体を見渡す。町のあちこちで下宿を転々としながら切り絵の腕を磨き、大勢の人と関わった思い出が全て詰まってます。
私がフィレンツェで経験した事、そして今でもこの町と関わる事で数多くの人や物事へとつながって行くのです。
だから、この風景はこれからも私にとっての希望。そういや、語学学校に通ってた時に会話の授業で「好きなイタリア語の単語って何か?」って課題で「la speranza」って答えてたな。 希望って意味です。あれから20年以上経つけど好きな言葉って変わらんもんだよね。

今この時に、この作品を手掛ける事が出来て良かったです。これまで眼鏡かけてりゃ出来た事が出来なくなって、ルーペを更に使って何とか元のクオリティを維持出来る程度。ならば、この状態で出来る範囲内で力を付けて行くしかない。再出発の時期なんでしょうね。

今日から再びミケランジェロ広場からフィレンツェの町に入って大切な物を見つけて行こうと思ってます。

この作品を見た人が希望を感じてもらえますように。

さあ、やっと鹿児島個展のDMを注文出来る。ギリギリのスケジュールですね。個展まで後3週間、頑張らなきゃ!

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おまけ。作品の裏側です。最後に背景のパーツ貼って、補強の為に厚紙を貼ったからこれはもう見えない。

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2019年9月 1日 (日)

白内障の手術

実は一年半ほど前から私の右目は見えてなかったんです。2018年の3月、京都で個展をやってた頃に、どうも右目で物が見にくい。メガネが曇っているのか目ヤニでもたまってるのか、拭いても洗っても見えにくいから変だなあと思ってたんです。その一か月後に豊田市で個展。最終日が終わって荷物を車に積み込んで帰る時に「右目が見えてない!!」って事に気が付きました。翌日、豊田市内の眼科に行って診てもらいましたら白内障との事。

白内障というのは、目の中のレンズが白く濁る病気。目の前にすりガラスを置いたようなもんなので、眼鏡をかけても見えないままなんです。手術で人口のレンズに代えれば見えるようにはなるのですが、私の場合は右目だけで左目は大丈夫だったので、「健康な左目まで手術してしまうのは勿体ない。定期的に検査しながら様子を見ましょう。」と言われました。
そこまで不自由でもなかったので、3カ月ほど後に再検査。特に症状は悪化してなかったので半年後にまた検査しましょうって事になりました。

昨年末、そろそろ検査に行くかと眼科に行ってみたら閉鎖されてました・・・。

この時点で6月に鹿児島に引っ越すって話が出てましてね。あと半年しかないのに豊田市内で眼科探すのもなあ。そんなに不自由もしてないし、鹿児島に引っ越してからで良いかと思ったのです。しかし今年の3月になってから急に症状が悪化したみたいで、ノンビリ鹿児島に行くのを待つなんて事が耐えられなくなり、豊田市内の別の眼科に行って診察してもらいました。
予想通り白内障は悪化しててそろそろ手術すべき。ただし白内障の手術を待ってる患者さんは多いので予約してもかなり待つ事になる。6月に鹿児島に引っ越すのならそちらで探す方が良い。という事になりました。

今年の4月、鹿児島に来る用事があったので、この機会に鹿児島の宮田眼科へ行きました。(鹿児島では眼科ではないものの、お医者さんの友人・お客さんは何人かいるので、その方たちに最高の眼科を紹介してもらました。)

私の白内障は相当進行してて、近視の度が強いのもあって難しい手術になる。私が診てもらった病院では手術出来ないので、宮崎県都城にある本院で入院して手術。最初に白内障である右目を手術して、経過を見ながら左目も手術する。8月19日から10日ほど入院。と、思った以上に大事になりへこみましたね。実際、白内障の右目だけでなく左目の方も負担が凄かったんです。4月下旬と5月にデパートのイベントがあったんですが、ブースのある場所の照明がきつくて両目とも痛くなったりしました。外出時は曇ってる日でもサングラスをかけてたんですけど、デパートの売り場でサングラスかけるわけにも行かないからねえ・・・。

そんなこんなで6月に鹿児島に引っ越し。7月にTEDxに出て(目が見えにくかったので、フリップの文字を大きくしてもらったりして、スタッフの方々にはお世話かけたなあ。)その間に2回検査。白内障はそんなに手術を急ぐ必要は無く、たとえ視界が真っ白になるまで悪化しても手術すればまた見えるようになる。
人間の目のレンズは近い所も遠い所も瞬時にピントを切り替えて合わせる事が出来る。人口レンズはピントを切り替える機能が無く、一カ所しかピントは合わないので、遠い所は見えるけど近い所は見えなくなったりする。だから近い所を見るのに老眼鏡をかける。

老眼鏡!!

・・・嫌な響きだね。年寄りくさい。そもそも白内障ってのは目が老化したからなるもんなので、私はまだならなくても良さそうなもんなんですよ。今、48歳です。そりゃ、若者とは思わないけどさ。流石に。
一応、宮田眼科さんで診察してもらった時に「普通は両目とも同時に白内障になるもんなんです。片目だけって事は老化によるものじゃないですよ。どこかに強くぶつけたんじゃないでしょうか?」と言われました。ぶつけた覚えは全くないんだけどね。だから運が悪かったんでしょう。ともあれ、老化したわけじゃありませんからね!!

さて私の手術なんですが、これからも切り絵を作らなきゃならない。近い所が見えないと作業が出来ません。よって遠い所ではなく近くにピントを合わせたレンズを入れてもらう事にしました。これなら今までと同じような生活になる。

8月19日に入院。20日に右目の手術。21日にガーゼが外れました。

ちなみに白内障の手術、目にメスを入れるなんて物凄く怖かったんですけど、手術前の麻酔も目薬で眼球に注射針を刺すなんて事はありませんし、手術中は手術する片目だけ出して布で覆う。手術する目は真上にあるライトを見ます。すると視界がキラキラ光って具体的に何をやってるのかは全く見えなくなる。だからそんなに怖がる事はないんですよね。大変なのはむしろ両目を開けてないといけない事。片目だけでは眼球が動くんだそうで、手術は10分以内で終わるのですが、目を開けたまま一点を見続けるのは難しい。右目・左目とも先生に怒られながら手術してもらました。

手術は上手く行きましたが、問題発生。目の奥にある網膜が痛んでまして、直線が歪んで見える。一応、人口レンズが目に慣れるまで1カ月ほどかかるので、現時点ではお医者さんでも判断出来ないのですが、多分、このまま治る事はなさそうです。それと近い所にピントを合わせたけど、だいたい目から50㎝の所でピントを合わせてあるので、50cm以内だと見えなくなるので結局老眼鏡をかける事になるんですね。(何だよ・・・。)

入院中、宿題を持ち込みましてどう見えるのか試しながら作業してました。(6人部屋で、他の入院患者さんが暇を持て余している中で私だけは全く退屈しなかった。)

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切り終える所まで進めた図鑑シリーズ。最上段の5点は新シリーズの「世界の名車シリーズ」です。・・・って、今の所トヨタ車のみですけどね。その内、他のメーカー、他の国の車も作ろう。

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こちらは桜島の風景。サイズは20×30㎝。下絵を終わらせるとこまで進めました。山の部分などを切ってありますが、手術後の見えにくい状況で切ってます。意外と勘を頼りにしてもやれるもんだ・・・。

右目の手術から一週間後の26日に左目の手術。27日にガーゼが外れました。こちらは白内障ではなく、網膜も傷んでないから線が歪んで見える事はないのですが、肝心のピントが甘い。目から50㎝ぐらいの所で自分の手を動かして見てみましたが、きっちりピントが合う事は無いんですね。ピントが合ってるのが水性ボールペンで引いた線とすれば、先が多少丸くなった鉛筆で引いた線のように見えるんです。

裸眼では意外と見えるようになってて、右が0,1左が0,7になってました。裸眼でも十分生活出来るレベルですね。ぎりぎりで車の運転も出来ちゃうし。ただし、手術直後なので、この後の1カ月でレンズが安定すると視力が下がる可能性はある。同時に左目のピントもバシッと合う可能性も有る。まあ、今の所は何とも言えないのですけどね。しばらく目薬をさしつつ定期検診を受ける事になります。

28日に退院しました。退院後、同じ病室で私よりも先に退院してた井上さんとお昼ご飯を食べに行きました。宮崎県の都城ってチキン南蛮が名物なんですよ。

チキン南蛮!!カラッと揚げたジューシーな鶏肉に甘酢、とどめにタルタルソースと、これ以上無い程の黄金の組み合わせ。鶏料理の頂点と言っても良いでしょう。

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都城で一番と評判のRYUという店に連れてってもらいました。ごく控えめに言っても絶品!!
井上さんに私だけでなく迎えに来てくれた華さんまでご馳走になっちゃいました。デザートのマンゴーパフェも美味しかった。井上さん、ありがとう!最高の退院祝いでございました。
宮田眼科さんで出た給食、なかなか美味しかったけど量が少ないんですね。10日入院して4キロも痩せました。おかげで理想的な体重に近づいた。退院時には「胃袋が小さくなってるから、全部食べられないと思うよ。」と井上さんに言われてましたが、チキン南蛮もパフェも完食。この日の夕ご飯は抜いたけどね。
ちなみに井上さんも私と同年代で片目だけ原因不明の白内障でした。同じ境遇の患者さんと一緒だと心強いもんでしたね。入院生活、6人部屋で入れ替わり立ち替わりでしたが和気あいあいとしてて楽しかったですよ。

さて鹿児島に戻って翌日の29日、制作を再開しました。宮田眼科を退院した時に眼鏡を2種用意してもらいました。遠くを見る用の眼鏡(だいたい視力が両目とも1,2ぐらいになる。)老眼鏡。一か月間は目の調子が安定しませんが、とりあえず私が制作出来るのか確認する必要がある。病院で用意してくれた老眼鏡ではピントが甘くて制作出来る程ではない。ホームセンターに行って頭にかぶるタイプの虫眼鏡を買って来ました。下絵、切り、部品の切り出し、部品の着色、部品の貼り、はみ出た部分調整と、これらの一連の作業が出来るかどうか試してみました。

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昨日、完成させた作品です。退院後の作品第一号。サイズは10×10㎝。上のフィアット500は入院前に部品を切り出しておきました。下のフィアットのトポリーノは入院中にデザインして手術前に切り終え、退院してから下絵をコピーして切りまして部品作り。私が6月にトヨタ自動車博物館で写真を撮ったのは左の黄色いのでしたが、ワインレッドのも作りたかったので。

虫眼鏡を使えば手術前と同じように作品は作れる!

白状すると、左目のガーゼが取れて近い所が見えなくなってからの数日はすごく不安でした。右目は見えるようになったとは言え直線が歪んでる状態では作業は無理。左目もピントが甘くて細かい所を作業するのは無理。20年以上腕を磨いて来た事が無駄になるかもしれないと考えると気が狂いそうになってました。勿論、手術をして良かったです。あのまま放置しておけば多分5年もしない内に両目ともダメになってた。色々間が悪かったみたいで、豊田市に居た時に白内障を悪化させてしまいましたが、九州一の眼科で院長先生に手術をしてもらったのは結果的にベストだったと思います。昨日の午前中に術後初めての検診でしたが、経過は順調なそうです。私じゃなくて普通の生活してる人なら大成功と言えるんでしょうね。
しかし、重要なのは私が今後も制作を続けれるかどうかという事。質を落とすことなく。
まあ、多くの年配の職人さんを見て来ましたし、細かい作業で老眼鏡や虫眼鏡を使ってる方も大勢いました。細かい作業が出来ないのなら、別な表現技法を見つけ出して(そんな簡単には見つからないと思いますが)作家活動は続けて行こうと、ある程度の肚はくくりましたけどね。

多少のストレスはあるものの、現時点では十分制作出来る。今後、まだ目の状態は変わりますが、多少目が悪くなる程度なら何とかなりそうです。トポリーノ2種を完成させた時は嬉しかったですね。

そうそう。手術で格段に良くなった事があります。それは色について。右目のガーゼが取れた時に世界が青く見えたんです。その時点で左目は白内障じゃなくて健康な目でしたよ。でも右と左で見比べてみると明らかに右が青くて左は黄色い。白いものを見ても右が青みがかってて、左は黄ばんだ白に見える。してみると、左目の方も加齢に伴い色が濁ってたという事になる。
今は両目とも手術して同じような色目に見えますがね。
だから今後は前以上に素晴らしい色が出るようになる。・・・って、見る人が私と同年代なら繊細な色の違いなど分からんかもしれんな。

まあ、これまで片目しか無い状況で一年半。ハンデを背負った状態で制作してて、言わなきゃ誰も気が付かないほどの質を維持して来たんだから。両目が開いた分、別の、それも少しのハンデが出来ただけですね。むしろハンデ上等ってもんよ。

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という訳で、今からはこれを作って行きます。手術前に切り終えてた、フィレンツェのミケランジェロ広場からの眺め、50×100㎝。
10月の鹿児島個展までに仕上げます。この半年間、目の事で本当に苦しみましたが、これを糧とします。不死鳥のように蘇った切り絵師・俊寛をご覧に入れますので、どうぞご期待下さい!!

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2019年8月14日 (水)

久々の近況報告

すごーく久しぶりになっちゃいましたね。
6月中旬から鹿児島で生活してます。作業環境を整えて、7月下旬からやっと本格的に制作出来るようになりました。この間に一度、実家に戻ってます。

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終わってみると実に楽しいイベントだったTEDxNagoyaU(テデックス名古屋ユーと読みます。)。7月7日に名古屋大学にて開催されました。これまで展示会で少しづづ自分の意見を言ったりする事はあったけど、自分の考えを全部纏めて話をするって初めての経験でした。今後どこかで講演会をやる時に今回の経験は多いに役に立ちそうです。

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職人の紹介をしたのは一つ前の画像に写ってる5人。靴のマンニーナさん、彫金のペンコさん、ブロンズのバンキさん、革細工のファナーラさん、フィレンツェモザイクのマルッチさんでした。締めの言葉に使ったのはシャツ職人のレオナルド・ブジェッリさんが私に教えてくれた言葉。アッシジの聖フランチェスコの言葉だそうですが、ブジェッリさんの親友の靴職人、ステファノ・ベーメルさんが好きだった言葉を私に伝えてくれてたんでした。トークでは二人の名前は出さなかったので、こちらで感謝の意を表明したいと思います。

お二人だけでなく、関わってくれた全ての職人さんたちにありがとうございました!!

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終了後、ずっと担当をしてくれた上田さん(左)と徳井さん(右)と。最初1月末に上田さんからメールが来た時は「てぃーいーでぃーかける名古屋って何だ?」って感じでしたけど偶々田原迫さんから電話がかかって来て相談したら「是非出なさい!!」って言われました。「そうなの・・・。」って感じでしたが半年間会ったり電話で会議をしたりと積み重ねて行くと連帯感は出来るもんですね。この二人以外にも大勢のスタッフさんが関わってくれまして、終わった時には感謝の念で一杯になりました。

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後列に居るのがトークしたメンバー。皆それぞれ興味深いお話でした。真剣に生きてる人達の話って本当に面白い。すごく良い刺激になりました。私も立派な事を喋っちゃいましたから、気合入れて制作に励まないとね。(まあ、気合入れて制作してる状態が普通な訳ですけど。)

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華さんも鹿児島から聞きに来てくれました。
実は私の出番の時、壇上に上がって挨拶したらマイクのスイッチが切れてたんだよね。すぐにスタッフの人が来てスイッチを入れてくれたので、そのまま話をしました。喋り終わって控室に戻ったら徳井さんが平謝りでしたが、「普段、私が奥さんから受けている精神的な圧力に比べてたら、あんなのトラブルでも何でも無いですよ。」と。
華さんは客席でハラハラしてたそうなんですけど、いや。トークを失敗するよりも貴女の方が怖いんだけどなあ・・・。
まあでも、いろいろ陰で支えてくれてありがとうだったけど。

TEDxNagoyaUの様子は近い内にyoutubeで公開されますので、またお知らせしますね。

そう言えば、鹿児島に来てすぐに大雨が酷かったので、大勢の友人たちに心配をおかけしました。何もここまで降らなくても良いだろうってぐらいの降り方だったしなあ。TEDxに参加する時も国道が通行止めになるぐらいの大雨で、鹿児島市内から空港までのバスが何時間かかるのかって感じでした。ここで飛行機に乗り損ねては、また皆に笑われるので(至近距離で笑う人も居るわけだしな。)かなり早めにバスに乗って空港に行ったのですけどね。

このブログ書いてる今も台風接近中です。こんな日は食料を買い込んで作業部屋に籠城。ビルの3階なので、ここに居るのが一番安全かな。

という訳で、今はこれを作ってます。

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毎年制作している、50×100㎝の大型の風景切り絵。今年はフィレンツェのミケランジェロ広場からの眺めでございます。フィレンツェと言えば、この風景ですね。これまでA4サイズぐらいのは作りましたけど、これだけ大きいサイズでは初めて。何でこれまでやらなかったかと言うと、あまりにもメジャー過ぎて気恥ずかしかったから。普通、他人が注目しない所に視点を持って行ってこその作家活動かなあって・・・。でも、フィレンツェ通の人からすればメジャー過ぎる題材、あるいは見飽きたような題材なればこそ、「切り絵師・俊寛が本気度100パーセントで取り組んだ最高のミケランジェロ広場からの眺めを見せてやる!!」って事ですね。

現在、切り終えたところまで進んでいます。次の展示は10月の鹿児島。頑張って仕上げますのでお楽しみに!!

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2019年3月14日 (木)

豊田市で個展です!

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地元の豊田市で個展を行います。ホテルフォレスタヒルズのロビーにスペースを作って展示します。今年で5回目でございます。

職人シリーズと風景、イタリアのお菓子シリーズとそれを元にした抽象画、ロミオとジュリエットのシリーズと、マーブル紙とコラボしたボッティチェリのプリマヴェーラ、そして10cm四方の小品を出します。

豊田市にお住いの方、どうぞよろしくお願いします。
私は会期中の11時~18時は会場に居ますので。

※18時以降は一部の作品を片付けちゃいますので、ご注意下さい。

切り絵師 俊寛作品展
2018年3月25日(月)~31日(日)
愛知県豊田市岩倉町一本松1番地1
ホテルフォレスタヒルズ 2階ロビー

http://www.forestahills.jp/

もう一つお知らせです。3月26日(火)か27日(水)の夕方、CBCテレビのイッポウに出る予定です。只今、絶賛制作中のこの作品

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ヴェネツィアのサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、50×100cmです。下絵から始めて仕上がるまでの制作過程を撮影してもらってます。この画像は切り終えた段階ですけど、現在は着色したパーツを貼っていまして、だいたい7割まで進んでいます。意地でも個展に間に合わせて展示しますので、こちらも是非見て下さいね!番組を見た後で個展に来ると、更に楽しめるかも。

どうぞよろしくお願いいたします。

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2018年8月13日 (月)

苦戦中

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ブログ更新するのも、久しぶりだな。大丈夫です。ちゃんと生きてます。最近は、インスタグラムに作品の画像を毎日アップしてます。(フェイスブックにも連動させてます。)

画像は現在制作中の作品の裏側。葡萄畑をモチーフにしてます。16年前にも挑戦して、大失敗したネタ。一年前にオリーブとヒナゲシの切り絵を作りまして、同じような感じで楽勝と思いましたが、大苦戦してます。3歩進んで2歩下がるって感じ。作った部分を剥がして、最初からやり直し。これを5回ぐらい繰り返してる。だが、まあ、こうした悩みは贅沢な時間の使い方ヵもしれませんね。じっくり作り込んで行こう。10月の鹿児島の個展のDMに使う予定なので、そうノンビリはしてられないけど。

皆様も良いお盆をお過ごし下さい。

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2017年10月29日 (日)

新作完成

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ヴィンチ村の風景切り絵、100×100cm、完成です。もうちょっとしたら個展が始まるので、全体像は個展が終ってから公開しますね。

16年前、フィレンツェに住んでた頃に見た風景です。何度も制作して、その度に挫折。(自然の物を切り絵にするの、苦手なんです。)いつか自分のイメージ通りの作品にしようと、ずっと暖めていたネタです。

この16年の間に開発した技法が今回の作品に合うかどうか、確認しながらの作業で悪戦苦闘の毎日でしたが、充実した制作でした。何とかイメージ通りに仕上がって良かった!

さて、最近の技術の進歩は凄まじいですね。印刷技術の向上と3Dプリンターの開発。この為に現在は絵心の無い人でも気軽に創作が楽しめるようになっています。画像ソフトなんかも凄いのが出て来てるので、写真を切り絵風に加工するアプリもその内出来そうな気がします。(既にあるかもしれませんけど・・・。)

私の切り絵、職人仕事の様子や風景画など、基本的には写真を見ながらデザインしてて、実際の風景とそんなに変わらないんですね。
となると、切り絵風に加工するアプリが登場した時に、私の作品って価値があるんだろうかって不安もあるのです。

無論、アプリの加工程度で到達出来るような仕事はやってないです。随所に私なりの解釈・アレンジを加えて作ってます。出来る限り時間を取って、考えれる限りの手間を注ぎ込んでます。思いは込めてるんです。

でも残念ながら、作品を見る人の全てが理解出来るわけじゃないんだよね。

「切り絵アプリとどう違うの?」

って事を言う人も出て来ると思います。

という事は、これからの芸術作品って、技術が進歩しても無関係な部分を強く出した物が生き残るんじゃないだろうか。

今回の作品は元になった写真に忠実にはデザインしてない。(最近になって始めた抽象画の表現も取り入れてます。)他の作家や機械では真似の出来ない私自身の世界を作ったつもりです。
これまでやって来た職人シリーズやイタリアの風景も大事で、今後も続けて行きますが、そこから出発した私だけの世界を展開して行こうと思っています。

来月の名古屋と東京の個展、この作品以外にも今後の方向性を示した作品を出そうと思っています。
名古屋・東京お住いの方々、近い内に個展情報をお知らせしますので、どうぞよろしく。

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2017年10月 9日 (月)

合体完了!!

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オリーブ林とヒナゲシの風景、続行中。
Aパーツ(上側の黒い切り絵)とBパーツ(下側の金色の切り絵)を貼り合わせました。けっこう時間かかっちゃったなあ。
しばらくは、いつも通りにパーツを切って色を付けて貼る作業が続く。

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こちらの画像は貼り合わせる途中。切り絵と切り絵を糊で貼っても、すぐに剥がれてしまうので、細く切ったコピー用紙を糊で貼り付けてます。この後、ジェッソという下地用の絵の具の黒色を塗ってやる。樹脂でコーティングする事になるので、がっちりとくっつく。

地味な作業で時間もかかる。この作業だけで丸一日かかってしまった。おまけに表側からは見えないので、作業が進んだ気がしない。

一昔前だと、こんな時は「手が6本ぐらい有ればな。」とか「分身が欲しい。」とか「寝てる間に小人が続けてくれないか。」とか思ったもんですけど、最近は考え方が変わった。

こういう作業をしてる間に、今後どう進めて行くかを考えたりしてるんですけど、その時にアイデアが出てきたり、方針が決まったりする。機械的に手を動かす作業ではあるけど、自分の中で熟成させる時間になってるわけですね。

こうしてあれこれ頭をひねって考えた末に仕上げる作品ですが「いつもと大して変わらんのじゃないか?」って言われる事もあります。まあ、自分にしか分からない部分にこだわってますので。でも、こういった作業を積み重ねて行く事によって、10年後の作品のレベルが変わるもんだと思っております。

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