3月28日(水) イタリアから帰国したのは30日(金)なので、前日の29日(木)は挨拶回り。だからこの日が取材出来る最後の日ですね。
エミリア・ロマーニャ紀行の最後はサン・マリノ。世界で5番目に小さい国家で、最も古い共和国。今回一番行きたかった場所ですね。モデナとマラネッロ、サン・マリノに行くのは初めてです。
フィレンツェからだとちょっと交通の分が悪いので、早起きして5:28の電車に乗って、ファエンツァで乗り換え。リミニに8:37に到着しました。・・・って、いつもまだ寝てる時間だよ。そして下手すりゃ朝の6時まで起きてる事はあるのだ。
サン・マリノは崖の上にある町なので、電車で行けるのはリミニまで。リミニからはバスで行きます。リミニのインフォメーションは既に開いてたので、バス亭の場所と時間を確認。次のバスまでちょっと時間があったので、近くにあるバールに入って朝食。
そうしてる間に、サン・マリノ行のバスが出るバス停に、切符売りのおばちゃんが登場。

このおばちゃんにお金を払うと、切符をカバンから出してくれます。イタリアの交通機関としては珍しい販売形態。バスのチケットと言うと、だいたいキオスクみたいな売店かタバコ屋さんで買えるし、長距離の場合、バスターミナルから買う場合は駅に窓口があるしね。それにしても、このおばちゃん、かなりのお歳のように見えますけど、椅子と机はどこから出して来たのだろう・・・。コーヒーを飲んでて見逃したのが悔やまれる。
バスはリミニを9:25に出発し、10:10にサン・マリノに到着。リミニのインフォメーションでサン・マリノの地図も貰ってたので、そのまま散策。
しばらく歩いたらロープウェイがあったので、それに乗って町の麓まで下りてみました。・・・って、来たばかりでもう降りるのかって感じですね。とりあえず、町の全体像も見ておきたかったんですよ。
ロープウェイの駅から見た風景。かなりの急斜面です。
ロープウェイの下側の駅にあったド○え○んの乗り物。思いっきり偽物ではないか・・・。
麓から見た風景。この教会も良い感じですね。教会の向こうに山が見えます。この山はティタノ山と言って、この山の上にサン・マリノの町があります。・・・ティタノ山って良い名前ですね。ティタノって巨神って意味です。
ロープウェイで登り直して、改めて市内散策。 まずは市庁舎へ。
・・・市庁舎じゃなくて、この場合は政庁だね。4月だったら衛兵がいるんだけど、1ヶ月早かったですね。残念。でも素晴らしい青空。今回の滞在、始めの頃に2日ほど雨がぱらついたぐらいで、後は上天気でした。普通は3月というと、天候が不安定で物凄い土砂降りが頻繁にあるんだけどね。旅行者としてはありがたい。でも住んでる人にとっては水不足で大変だったみたいだけど。もう解消されてると良いのですけどね。
サント・ピエーヴェ教会。サン・マリノで一番重要な教会。駐車場にフィアット500が停まってた。どうしてもルパンの「カリオストロの城」を連想します。実際に制作するにあたって、この場所がモデルになってますからね。
サン・マリノでは2つの要塞があります。中は展望台があったり、昔の武器を展示してたり。最初の要塞に入って、要塞の中の塔に上り、次の要塞を見る。

第1の要塞グアイタから、第2の要塞フラッタを望む。ちょっと他の町には無い雄大な眺め。
今度はフラッタからグアイタを眺める。断崖絶壁の上に町がある事がよくわかる。イタリアの小都市というと、小高い丘の上にグルッと円形に城壁があって、その中に町があるというのが多いのですが、ここは小高い丘どころじゃない。天然の要塞ですな。
昼ご飯にピアディーノ(薄く焼いたパンに具を挟んだエミリア・ロマーニャ名物)を食べました。売ってた店はグアイタ要塞の近くにある、「ニード・ディ・ファルコ」という名前でした。ハヤブサの巣と言う意味。正に崖に作られたハヤブサの巣のようで良い名前。
14:15にサンマリノを出て、15:10にリミニに到着。15:30にリミニを出て16:20にファエンツァに到着。フィレンツェ行きの電車がしばらく無いので、ついでに町を散策。友達が「ファエンツァも良いよ。」と言ってたっけな。
ファエンツァのドゥオーモ広場。成程、良い感じ。いかにも穏やかな昼下がりって感じですね。ちょっとビールが飲みたくなったりして・・・。
ファエンツァは陶器の博物館も有名なんだけど、午前中しか開いてないのです。残念。後で陶磁器絵付け職人の古川さんに「ファエンツァに行ったけど、博物館には行ってない。」事を言ったら「何でですか?勿体ない!!」と言われた。まあ、ファエンツァ自体がついでに寄ったしな。機会があれば、また行ってみよう。
夕食はおなじみのベルコーレさんで。これで最後ですね。合計4回行きました。ま、充分かな。
前菜のタルタルステーキ。これがもお、絶品!実はこの日は疲れてたから外食するのやめようと思ったんだけど、これを食べてないのを思い出したので。昨年、初めて食べて、あまりの美味さに、後で友達と食事した時に(半ば無理矢理)勧めたぐらいなのです。
プリモはカリカリに焼いた肉とアスパラを乗せた、パルメザンチーズのリゾット。これも美味しかったなあ。
流石にセコンドまで食べるのは無理なのでデザート。クリームブリュレと果物。ベルコーレはデザートも時々変わるけど、このクリームブリュレとお米のプディングは定番。写真は撮らなかったけどお米のプディングも今回食べてます。・・・ああっ!そういえば3月17日にマエストロと合同誕生日会の時に、シェフのリョウコ先生が紅茶のケーキを焼いてくれたんだった!忘れてました。これも美味しかった!
良い感じに酔っぱらって下宿に帰って、4時間程寝た後、2時間ほど切り絵の制作をしてました。4時間も寝たらアルコールは抜けるもんだな。もう後1日しか無いので、けっこうギリギリの状態で制作してましたね。
ともあれ、エミリア・ロマーニャ紀行は完結。出来ればサン・マリノの乗り換えだけに降りたリミニも観光したかったが(海水浴の町って認識しかなかったけど、ローマ時代の遺跡もあるんだよね。)秋の三越の展示に向けての材料としては充分かな。ラヴェンナ、フェッラーラ、ボローニャ、パルマ、ピアチェンツァ、マラネッロ、モデナ、サン・マリノ、ファエンツァ。9都市も回りました。
ここ数年、初めて行った場所って、ほとんど無かったんです。2006年にトリノ、オルタ湖、クアルナ・ソット、2008年にクレモナ、オトラント ・・・それぐらいですね。後は何年か前に一度行った場所に、改めて写真を撮りに行くだけ。上記の町でもクレモナ以外は友達が連れて行ってくれたので、今回の滞在は久々に自分で計画して初めての場所に行きましたね。
数えてみると28日間の滞在中、13日フィレンツェの外に出てました。残りの15日で職人さんや友人と会ったり、工房を取材したりしました。充実した滞在でしたな。しかし疲れた。後もう1日で日本に帰国です。
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