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2018年12月29日 (土)

切り絵漫画「ロミオとジュリエット」前編

一昨年の西遊記、昨年のピノッキオの冒険に続く第3弾。今年は何すっかな~と悩みましたが、2月にイタリアのヴェローナを旅行した時に閃いた。

「そうだ、ロミオとジュリエットをやろう!!」

ロミオとジュリエットはイギリスの文学者、シェイクスピアの戯曲ですが、舞台となったのはイタリアのヴェローナなんですね。
スタートしたのは10月の鹿児島の個展が終ってから。一応、それまでに文庫本を買って来て終わりまで読んだのですが、これがもう本当に頭に入って来ない。戯曲ってのは台詞だけで話を進めて行くのですけど、全然面白くないんです。
しかし、ロミオとジュリエットの映画(1968年、オリヴィア・ハッセー主演)のDVDが手に入りまして、何度も見ては原作本を読み、15回程繰り返した結果、「ロミオとジュリエットは非常に面白い!!」という結論に至りました。慣れて来ると戯曲の独特の言い回しも面白い。完全にはまっちゃいましたね。

西遊記やピノッキオと違って、ロミオとジュリエットの場合はキャラクターが頭に浮かばないですね。なので、映画版を基本に、ルネッサンスの絵画(だいたい14世紀の物語なので)を参考にしてデザインしました。

と言う訳で、大苦戦しましたが何とか完成。15点を一つの額縁に入れて展示しましたが、それぞれの作品の下に登場人物の台詞も印刷して貼り付けました。以下、太字が作品と一緒に展示した台詞です。

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ティボルト 地獄と一切、モンタギューの奴等は貴様もそうだが、それほどいやだ。さあ、いくぞ腰抜け!

プロローグ、ヴェローナの町で憎しみ合うキュピレット家とモンタギュー家。この物語の100年以上前に、ローマ教皇と神聖ローマ帝国の皇帝が覇権を争ったという事があり、ロミオの実家であるモンタギュー家は教皇派、ジュリエットの実家であるキュピレット家は皇帝派に所属していたそうです。
ティボルトは上の作品画像で中央で剣を振り上げている人物。ジュリエットの従兄になります。(ジュリエットの母の兄の息子)非常に血の気の多い人物。

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太守 治安を乱す不逞の輩、してまた隣人の血潮をもって刃を汚す不埒の輩―なんと、聞く耳持たぬというのか?

町中で諍いを起こす両家の間に割って入り仲裁を行うヴェローナの太守。エスカラス公爵という名前です。

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ロミオ 私の唇という二人の巡礼が、今こそ優しい接吻をもって、手荒なこの痕を拭いとろうと羞じらいながら控えております。

キュピレット家主催の仮面舞踏会に忍び込んだロミオはジュリエットに一目惚れする。ジュリエットに出会う前はロザラインという女性に恋していました。ロミオの従兄のベンヴォーリオは「ロザラインなんて、そこまでいい女じゃないだろ!」と言うのですが、恋は盲目だったようで・・・。しかし、この場面以降は「ロザライン?誰です?」てな感じになってました。

・・・にしても、ロミオは一体何を言ってるのでしょうね?訳の分からない事を口走ってどさくさ紛れに手に接吻をしてるようにも思えます。
しかし、ジュリエットもこれに対して似たような言葉で答えている。これは、二人の年齢(ロミオ16歳、ジュリエット14歳)を考えると、精一杯の背伸びしたやり取りだったんですかねえ・・・。


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ジュリエット ああ、ロミオ様、ロミオ様!なぜロミオ様でいらっしゃいますの、あなたは?

あまりにも有名なこの台詞。この場面だけは作らなきゃねって事で。
ちなみに、ジュリエットの立っているバルコニーは、実際にヴェローナにあるジュリエットの家のバルコニーをそのままデザインしました。現地取材の成果ですね。
しかし、実際はこのバルコニーまで高さが有り過ぎて、ロミオがよじ登るのにはちょっと無理があります。まあ、当時は丁度良い高さの木が生えてたって事にしときましょうか。

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僧ロレンス 願わくは神もこの聖なる式に微笑みを送りたまえ。後の日に悲しみをもてわれらを責め給わざらんことを!

出会った翌日に二人だけで結婚式を挙げる。
この直前の場面も好きで、ロミオが従兄のベンヴォーリオや悪友のマキューシオらと、冗談を飛ばしあい、ジュリエットから伝言を預かって来た乳母をからかう所など三馬鹿と言った感じ。ロミオというと、繊細で内向的なイメージですが、友達といる所は今でもイタリアにいるような年頃の男子って感じで微笑ましい。

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マキューシオ なに擦り傷、擦り傷だ。だが、もう深傷は十分。

ロミオの友人であるマキューシオと、ジュリエットの従兄であるティボルトが剣を抜いての騒ぎを起こす。二人の間に割って入るロミオだったが、ティボルトの剣がマキューシオの体を貫く。
このマキューシオはエスカラス公爵の甥。なので、本来は両家の諍いには無関係なのですけど、どういう訳かモンタギュー側について戦っている。
お調子者なので、刺されて助けを求めても周囲の者たちは「またマキューシオの悪ふざけが始まった。」とばかりに相手をせず、最後は「両家とも滅びてしまえ!!」と呪いながら倒れる。

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キュピレット夫人 公爵様、どうぞ公平な公爵様、私たち一族の血の償いに、モンタギューの血も流してやって下さいませ。ああ、ティボルト、私の甥!

陽気なマキューシオの死はロミオを激しく憤らせ、ティボルトを殺してしまう。かけつけたエスカラス公爵にキュピレット夫人はロミオの処刑を訴えるのですが、これ以上の流血騒ぎを嫌った公爵により、ロミオのマントヴァへの追放が言い渡される。
・・・ジュリエットの両親の方が出番が多いですね。ロミオの両親の方は、すごく影が薄い。私の作品でも結局出番が無かったりします。

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ジュリエット では、窓よ、光を入れて、そして生命を送り出しておくれ。
ロミオ さようなら、さようなら!もう一度接吻を。それでは行こう。


マントヴァへ追放される前日、ジュリエットの乳母の手引きでロミオはジュリエットと一夜を過ごす。
この前のベッドシーンも良い台詞があります。ジュリエットの「今聞こえたのは、あれはナイチンゲイル、雲雀じゃありませんわよ。」って。ナイチンゲールは別名をヨナキウグイスと言います。朝に鳴くのは雲雀。だから夜が明けて欲しくないって思いのこもった台詞なんですね。その場面も作品にしたかったんだけど、私のこの絵柄でベッドシーンは無いよなあとおもったので、別れの場面にしました。

・・・長いので、後編に続く。

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コメント

俊寛様

 明けましておめでとうございます。

「戯曲ってのは台詞だけで話を進めて行くのですけど、全然面白くないんです。」
 と仰っておられますが、私は40代の頃戯曲に夢中でした。読んでいて目の前に情景がありありと浮かんできました。テレビで観たドラマだからかなと思いましたが、観ていないドラマでもほぼ同じ経験が。
「この役は○○さんがぴったりだな」とか思いながら。

 今は「はまって」おられるとの事、ご同慶の至りです。

投稿: たっぽう | 2019年1月 2日 (水) 14時34分

たっぽうさん、先日はお手紙をいただき、ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。
正に今40代で戯曲の面白さが分かったとこですけどね。制作で忙しくなりそうなので、なかなか本を読む時間も取れませんが、読書も自分の世界を広げる一つなので時間を作ってでもチャレンジしようと思ってます。
手始めに、やはりシェイクスピアかな。

投稿: 俊寛 | 2019年1月 4日 (金) 01時36分

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