特殊メイク職人、ガブリエレ・フィリストゥルッキ
昨年、切り絵にしたかつらの職人、ゲラルド・フィリストゥルッキさん。サイズは45×45cm。衛兵が被る兜に付ける飾りを作っている場面です。
フィリストゥルッキ家はフィレンツェでは最も古い職人工房。すぐ近くにテアトロ・ヴェルディと言う劇場があるのですが、その劇場が出来きた頃から彼らの工房も始まりました。
彼らの工房では舞台用のかつらを作る事が多いので、頭の木型がタンスの上に置いてあります。
作品で奥の出入り口からノッソリ覗いてるのがガブリエレさん。容貌魁偉な傑物。そして、すごくおしゃれ。強烈な印象だったし、特殊メイクの作業も面白そうなので、ガブリエレさん主役の切り絵も作ろうと思ってたんです。
と言う訳で、今回取材した職人さん、その8。
化粧をするようにゴム製のマスクにメイクを施していく。蛇の形やゾンビ、血まみれになったマスク等、色んな種類のマスクがあります。
昨年、初対面の時に「この顔は特殊メイクなんだよ。ボクは本当は20代・・・。」と言ってました。一瞬、ギョッとしちゃいますね。最近、テレビでこの工房が取り上げられてましたが、同じセリフを言ってました。どうやら必殺のジョークらしい。
写真を撮りながら色々質問をしてるんですね。仕事に関係ある話から、趣味とか子供の頃のあだ名とか。自分の中でその人のイメージを固める為に情報が必要なのです。
で、何歳なのか聞いてみたんです。「どのぐらいの期間、職人としたて働いてるのか」とか、そこから話を広げるのですけど、正確な歳を教えてくれなかった。
「いつも、こう答える事にしてるんだ。50歳以上100歳以下って。何でかって?あまり年寄りだと女にもてないだろうが!」
だそうです。ちなみに彼のスマートフォンに保存されてた画像で、この人と裸の女の人が絡み合った写真があった。・・・いや。写真家が撮ったそうで、エロ写真じゃなくて芸術的な写真でしたけどね。「これは俺の前の彼女だ。」と言ってた。
・・・その辺りの話も突っ込んで聞いてみたかったのですけど(と言うか、突っ込み所が多過ぎて、ひたすら感心するしかないね。)横に息子のゲラルドさんが居たので、聞けませんでした。
一口に「職人」と言っても、色んな人がいるなあと思った一日でした。
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