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2014年10月13日 (月)

木彫職人、ルイジ・メコッチ

今回取材した職人さん、その3。木彫と修復の職人さんです。

フィレンツェの川向う、ピッティ宮殿の近くにヴェルッティ通りという道があります。この通りには職人さんの工房が軒を連ねてまして、その内5軒を既に切り絵にしています。

ヴァイオリン職人、アルド・ソフォ・サンティーニ
製本職人、エンリコ・ジャンニーニ
木製象嵌職人、レナート・オリヴァストゥリ
家具修復、ジュゼッペ・ゴッツィ
家具修復、アンドレア・ラッビ

で、今回のルイジ・メコッチさんと、もう一軒紙の修復の工房があるらしいので、徐々にヴェルッティ通り制覇に近づいています。

Img_8419

こちらがメコッチさんの工房。実に良いですねえ。物が溢れている。これを切り絵にすると物凄く手間と時間はかかりそうでゾクゾクする。

Img_8433

この時は柱の修復をやってました。かけてる部分を彫刻して継ぎ足して、違和感の無いように仕上げる作業。

Img_8719

木彫するメコッチさんです。360度、どの方向も絵になるので、どういう構図にしようか考え中。多分、今期(次のイタリア行までに)制作する切り絵では一番てのかかる作品になりそうです。こういう工房に行けた事に幸せを感じますね。

さて。ベルッティ通りにはちょくちょく通ってまして、木製象嵌のレナートさんとよくお喋りしたんですけど、面白いなと思った話が一つ。

家具修復のアンドレアさんは叔父のアルベルトさんの工房を引き継いだんですが、そのアルベルトさんは、ベルッティ通りの他の工房も使ってたんだそうです。つまりレナートさんやメコッチさんの工房は、元々はアルベルトさんが使っていた工房だったそうです。

「その扉もアルベルト塗ったんだよ。」

とレナートさんは入口の扉を指して説明してくれた。

こういう話を聞くと嬉しくなっちゃいますね。アルベルトさんはだいぶ前に亡くなっているので、当然お会いした事はないのですけど、どんな顔してるのか知っているんです。

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画像は7月に完成させたアンドレアさんの切り絵の一部分。左上にアンドレアの叔父さんのアルベルト・ウリベッリさんの肖像画がかかってます。

フィレンツェの職人工房の世界って狭いんですよね。工房の取材をしてる時に、別の工房の職人さんの作品が置いてある事ってよくあるんです。それが亡くなられた職人さんの作品であったりする場合、「思わぬ所で、また会えた!!」って気がするんですよ。

レナートさんの話を聞いてて、昔の職人さんの残り香のようなものが感じられました。話してくれなければ誰も知らないままなんですが、ふとした拍子に過去の人物と邂逅する事が出来る。そういう経験をさせてくれる物が残り続けるって職人仕事と、大切に覚えている人間関係とは素晴らしいなと思いました。

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