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2013年6月27日 (木)

革細工職人、シモーネ・タッディ

製本職人のラポ・ジャンニーニさんのパートナーの桑田さんとは昔からの友達で、時々メールのやり取りをしてるんですが、ありがたい事に付き合いのある職人さんのリストを作ってくれました。あまり大勢取材しても切り絵にするのは大変なので、とりあえず一人選んで紹介してもらいました。革細工職人のシモーネ・タッディさんです。桑田さんは「えらい気難しい人だ。」と言うから、取材に行く前に私の事を話しておいてもらいました。

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工房の様子です。ダンテの家の近くにあります。1937年創業。お父さんの代から続く工房ですね。古めかしくて、とても感じです。店に入って声をかけたら「ああ、良いよ。好きなだけ撮ってけ。」と言われました。やっぱり、ぶっきら棒な人だ。まあ、敵意とかは感じませんが。・・・嫌だったら取材拒否されますので、ぶっきら棒なのが普通なんでしょうな。

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ホタテガイの形をした革製の箱ですね。宝石なんかを入れます。こてを押し付けて艶出しをしている作業。

ところで、1ヶ月ほど前にBSのフィレンツェ特集でこの方が出て来ました。いきなりだったのでビックリした。コインケースが出来る一連の作業を実演してたんだけど、その時のインタビューにすっごい違和感が・・・。いや、翻訳は全然間違ってないんだけど、字幕がですます調で書いてあるので。テレビ向けに丁寧な口調だったのかもしれないけど、基本的にシモーネさんは「べらんめえ調」で話してる感じなんだよね。

イタリア語でべらんめえ調ってのも変な話なんですが・・・。

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取材の時は仕事以外の話も聞くんですね。趣味とか、子供の頃のあだ名とか。職人さんの人柄を知る手がかりとなるのです。
で、シモーネさんと雑談してて、歳が幾つか聞いたら50歳だって。桑田さんが「うちらと同じような年齢じゃないかな。」と言ってたので、もうちょっと若いかと思ってました。

「そうは見えませんねえ。」と言ったら、

「ったりめえだろ!80歳に見えるってえのか?ああん!?」

みたいな感じで・・・。私の頭の中ではどうしてもこんな風に日本語変換されちゃうんだよなあ。

ちなみに子供の頃のあだ名を聞いたら、

「そうだなあ・・・猊下って呼ばれてたな。」

不信心だから、それを皮肉って言われてたんだそうです。猊下(げいか)ってのは高位聖職者に付ける敬称ですね。

「後はジャッキーって呼ばれた。」

こちらはポケットに手を突っ込んで肩で風を切って歩く姿が西部劇のようだと揶揄されたそうです。

「ははあ。良いあだ名ですねえ。私なんかは短くて呼び易いって理由で苗字があだ名になってました。」と言ったら。

「ハア?そりゃ、おめえ違うだろ!良いか、あだ名ってのはだな、その人の行動とか個性なんかの特別な部分に周りの人が気が付いて、そこから考え出されるのを言うんだろうが!」

・・・怒られてしまいました。シモーネさん曰く、自分は典型的なフィレンツェ人だと言ってました。皮肉屋で理屈っぽい所とか、そりゃそうなんでしょうけど、かなり極端だなと思った。
でも、私はこういう人は好きです。面白い。工房も古色蒼然とした雰囲気で素敵だし、頑張って作らなきゃね。

で、取材を終えて桑田さんに報告しに行きました。「意外と良い人でしたよ。」と言ったら「良い人だっけ、彼?」と首をかしげてました。お~い、桑田さん・・・。

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