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2011年5月 3日 (火)

革細工職人、ヴァスコ・カパンニ

さて体調も戻って、滞在7日目でようやく取材開始。(7日目って、普通の海外旅行なら最終日ぐらいだよなあ・・・。)革細工職人のヴァスコ・カパンニさん。フィレンツェではなく、バスで1時間ぐらいの場所にあるスカルぺリアという土地に工房があります。ここは私の友人の荒山直久君が修業している工房。荒山君は以前、同じ革細工職人のジュゼッペ・ファナーラさんの工房で修行していたので知り合いました。

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スカルぺリアはかってフィレンツェの国境だった町。軍隊が駐屯していたので、武器を作る技術が盛んで、現在でも刃物の産地として有名です。以前、この地の刃物職人の工房を切り絵にしてるので、久々のスカルぺリア行きでしたね。

ヴァスコ・カパンニさんの工房、規模が大きめなので半工場って感じです。完全個人操業のジュゼッペ・ファナーラさんの工房とはまた違って、これも面白い。コインケースの他、ちょっと大きめの裁縫用具や宝石類を入れる箱まで、かなり多くの商品ヴァリエーションがありました。

ヴァスコさんは18歳の時に、フィレンツェの高名な革職人、リーノ・ペルッツィさんの下で職人の修業を始められました。50年以上の職歴ですね。今は息子のファビオさんと、3人の従業員と供に働いています。

余談ながら、ヴァスコさんが修業したペルッツィ工房は、今ではサンタクローチェに免税の店になってますが、そういえば革製品が一番力を入れて売られてましたっけ・・・。友人の何人かが働いていたので、たまに店に入った事があったんですよね。意外なルーツがあるものだ。

こちらは友人の荒山君。すっかり工房にもスカルぺリアにも馴染んじゃってます。

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スカルぺリアってド田舎だけど、荒山君は田舎好きみたいで、工房の人達も「一生ここにいろよ。」と言ってくれてるので、「じゃあ、一生いても良いかなって考えてます。」と言ってた・・・。いや、まあ、故郷から遠く離れた場所でも自分の居場所を見つけるって素敵だ。

荒山君は日頃から私の話を工房の人たちにしてくれてたそうで、今回の私の訪問も「今か今か」と待ち構えていたそうで、取材してる時にすごいプレッシャーを感じました。頑張って良い切り絵にしないとね。

せっかくスカルぺリアに来たのだから、以前切り絵にした刃物の工房にも寄ってナイフを買って帰ろうと思い、荒山君と一緒に工房を出たんですけどね。あまり時間が無いので速足で歩いてたんだけど、旧市街の建物から荒山君の知り合いのお婆さんが登場。

「バッ、バルバラ!!」

と若干おびえたような声をあげた荒山君。「まずい人が!!」って感じだったな。

で、そのバルバラ婆さんですが

「あんた何、こんな所をノンビリ歩いてるのよ。今、日本は地震で大変な事になってるんでしょ?あたしら皆、あんたのご家族の事が心配になってたのよ。大丈夫だったかしら?ところで、うちの息子がこの前・・・。」

・・・とマシンガンのように喋りだした。思いっきり腰が引けた荒山君が

「いや、あの、バルバラ、今すごく急いでるから、また改めて・・。」

と必死の抵抗を試みるも、バルバラばあさん、人の話は聞きゃしない。構わずマシンガントークを続けるました。私は荒山君の焦り方がツボにはまって大笑いでした。・・・って、考えてみれば私の為に焦ってくれてたんだけどね。一区切り話が終わった所で挨拶して逃げるようにその場から離れました。

日本人が住んでない土地ってのもあるけど、地元の人から愛されてて、荒山君は幸せだなと思いました。

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コメント

スカルぺリアの庁舎?でフィレンツェ在住の友人が結婚式を挙げたので、何故か一度だけ行ったことがあります。結婚式参列が目的でしたので、さすがに有名とはいえ刃物屋さんには立ち寄れませんでした(笑)。可愛らしい綺麗な小さな町で、また機会があれば行ってみたいです。でも日本人の方が住んでいらっしゃるとは…。凄いなぁ。

投稿: kanabo | 2011年5月 3日 (火) 16時23分

kanaboさん、相手の方がスカルぺリア出身なんですかねえ。あそこまで行くとは珍しい。
スカルぺリアの周りも山ばっかなんですが、荒山君が「あの辺に一人日本人が住んでるって聞きました・・・。」と指さして言ってたなあ。なんか、すごい田舎って感じでした。

マリア・ジャンニーニさんが、貴女と友達って話をしたら驚いてましたよ。

投稿: 俊寛 | 2011年5月 3日 (火) 18時34分

イタリアに行っていたのを気がつかなかった。失礼!まぁ無事に帰ってきて何よりです。多方面にいろんな友達や後輩がいていいですね。

投稿: あしたのもと | 2011年5月 3日 (火) 21時13分

あしたのもとさん、いろいろ大変な1ヶ月だったからね。会社の方も影響あったんじゃないでしょうか?

友達の数、増え過ぎちゃって挨拶回りすら出来なかった人もいたち・・・困っちゃいますね。

投稿: 俊寛 | 2011年5月 3日 (火) 21時52分

新郎はスカルペリア出身ではないはずです。
でも二人は小さな町で挙式したかったようです。
出発前に旅行用の地図でスカルペリアを探しましたがもちろん載っていなかったので、
かなり詳しい地図コーナーで初めてスカルペリアを確認しました。

私も”ここへはどうやって行くのかな・・・?”と不安でしたが、
フィレンツェから新郎の友人という方の車で途中山道を超えて行きました。
実は挙式後の山の上の一軒家レストランでの披露宴の方がすごかったのです。

スカルぺリアを出発してからどんどん山の中へ入っていくのです。鹿出没!マークのある道でした。
でもそのレストランからの眺めは最高でした!
周りは全て山(笑)。
いえ、あまりに美しいのとレストランの中で
お祝いのパーティーをやっているギャップが
何だか妙に楽しい思い出深い披露宴でした。

スカルペリアを知っている方と話が出来き嬉しいです。

さて、ジャンニーニさん、パワフルな女性ですよね。
以前に彼女のお店のマーブル紙でコサージュを作って納品したことがあります。
私のこと覚えていてくださったのですか・・嬉しいです!またFirenze熱が高まるな~。

投稿: kanabo | 2011年5月 4日 (水) 10時17分

久しぶりの、荒山兄さんを見て、ビックリして書き込んで
しまいました(笑)

俊寛さんも荒さんもお元気そうで何より^^

また、関東で個展される事があるならば、
おじゃましたいです☆

投稿: コウノカナコ | 2011年5月 4日 (水) 14時38分

kanaboさん、フィレンツェからはバスが出てるけど、昼前は1時間に1本、昼過ぎは2時間に1本ぐらいの割合かな。私も刃物職人と知り合わなきゃスカルぺリアがどこか知らなかったでしょうね。

スカルぺリアじゃないけど、昔の大家さんが結婚した時に山の中で結婚式を挙げた事がありました。見晴も良いし、料理も美味しいしで良い事ずくめだけど、足が無いのがね。幸いパーティーの参加者の一人に車でフィレンツェまで送ってもらったけど。

ジャンニーニさん「ピアノ弾いてる人ですよ。」って言ったら誰の事かわかったみたいです。赤ちゃんも可愛かったですよ。

投稿: 俊寛 | 2011年5月 4日 (水) 14時54分

コウノカナコさん、昨年も仕入れでフィレンツェに来てた荒山君と会えて5分ぐらい喋ったんだけどね。今回はゆっくり話が出来ました。本当は一緒にご飯でも食べに行きたかったんですけど、今回の滞在は時間が無くて・・・。

とりあえず昨年まではロン毛だったのに、さっぱりしちゃってビックリしました。
田舎暮らしになじみ過ぎちゃって、本当に永久にスカルぺリアに居るかもしれない。日本に帰国する事も滅多にないそうだし。
女の子だと結婚相手が田舎の人で、田舎暮らしってのは時々聞くけど、男でわざわざ田舎暮らしをしてる人って初めて見たので荒山君の意志を聞いて呆然としました。・・・楽しそうでしたけどね。工房の人たちにも「末っ子」って感じで大事にされてるみたいだし。

投稿: 俊寛 | 2011年5月 4日 (水) 15時03分

こんばんは。
なおです。

先日はわざわざスカルペリアまで足を運んで頂いて
ありがとうございました。
工房の皆も俊寛さんが取材に来てくださった後、
頻繁に『シュンカンは元気か?』としつこく聞いてきます。ろんぺれこっりょーねです!
取材中、接客に追われていたファビオは
俊寛さんとゆっくり話ができなかった事を
真剣に悔しがってました(笑
次回はゆっくり食事でもしながら
お話できたら嬉しいです。

イタリアから帰国して、取材の整理やらで
お忙しいとは思いますが、
体に気をつけて、作品作成頑張ってください。
これからも新作のアップ楽しみにしています。

余談ではありますが
私、鹿を見てもあまりビックリしなくなりましたが、
先日、狼を見たときには、さすがに感激しました。

投稿: なお | 2011年5月 5日 (木) 07時02分

なおさん、本人降臨ですね。もうちょっと早めに行くつもりだったんだけど、駆け足になってしまってすみませんでした。ファビオさんとも話がしたかったんだけどねえ。・・・何日か後でジュゼッペさんの工房で会ったけどね。

しかし・・・狼!?イタリアって狼が出るんですねえ。知らなかったなあ。

投稿: 俊寛 | 2011年5月 5日 (木) 07時47分

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