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2009年11月 5日 (木)

何故トンド・ドーニだったかと言うと・・・。

職人さんの作品で名画を自分の技術でアレンジした物をよく見かけます。

私が今まで切り絵にして来た職人さんが、トンド・ドーニを作品にしてるんですね。Tondodoni1_2

まずはフィレンツェでは珍しいビザンチン・モザイクの工房、トラベルサーリ。この工房のシンボルとも言える重要な作品がトンド・ドーニ。

トラベルサーリさんの所に取材に行ったのは2006年でした。この作品のインパクトがあまりに強かったので、直後に参加したコルシーニの職人展でトンド・ドーニを切りました。画像2がその時に切ったトンド・ドーニ。この時は切るのだけだったので、色を付けずにこれで完成。やっぱり色が付いてる方が良いね。 Img_1531_3

トラベルサーリさんの工房では他にも名画をモザイクにしまくっます。定番のボッティチェッリの「春」と「ビーナスの誕生」やダ・ビンチの「最後の晩餐」、ラファエロの「小椅子の聖母子」、カラバッジォの「バッカス」などが置かれてて、まるで美術館のようです。オリジナルも良いけど、モザイクだと色ガラスが光を反射してて、作品全体が明るく輝いてるように見えますね。

続いてはサント・スピリト広場の近くにあるマッシモ・バルディーニさんとダニエレ・ネンチオーニさんの工房。こちらではトンド・ドーニの額縁の複製を作ってました。これは博物館からの依頼で制作してました。彼らは木彫のみ。全部彫り終えたら金箔職人の所へ回して、金箔貼りとアンティーク調の仕上げを行ないます。で、中身に複製画を入れて完成。

Tondodoni2 制作途中の写真をアップします。3番目の画像です。

①が全体の写真。大きい物なんで、分割して作るんですね。5ヶ所小さい丸が見えますけど、この部分には聖人の顔の彫刻が入ります。5人の聖人で区切られているので5分割されていますが、全て違うデザインで構成されています。(この額の部分の下絵を描くのは大変でした。違うデザインなので飽きなかったのは確かですが・・・。)

②は下絵の紙を木地に直接貼り付けて、大まかな部分を彫って行くんですが、まずドリルで穴を開けてます。

③はドリルで開けた穴から徐々にくり抜いて行く所。下絵の紙は剥がさずにそのまま彫って行くんですね。

④で、いよいよ本格的に彫刻刀を使って彫って行ってます。写真はマッシモ・バルディーニさん。この角度から見ると、いかにこの額縁が深く彫り込んでいるかが良くわかる。マッシモさんの左で相棒のダニエレさんも同じ作業をやってます。

私はこの額縁が完成した所は見てないのです。作品にはキッチリ入れてあるし、個展でお客さんに説明する時もこの額の話はしてたんですけどね。昨年の秋に季刊・銀花にマッシモさんの工房の切り絵が掲載された時も「ミケランジェロの額が彼らの手で複製されていく。」というキャプションを付けてもらってたんですけどね。

Rimg1413今年のゴールデンウィークに友達がフィレンツェに旅行に行ったので、マッシモさん達に銀花を一冊届けてもらいました。その時に写した写真を後でもらったんですが、その中に完成して絵も入れてある額縁の写真が!!

・・・多分、完成直後でしょうね。わざわざカバーを外して見せてくれたようで、彼らも歓迎してくれてたんでしょうなあ。この額縁を2年がかりで仕上げた事になる。かなり手のかかった力作ですね。

もう一つ、彫金家のパオロ・ペンコさん。写真を撮ったつもりでしたが、探したけど見つからない。切り絵にした時に描き込んでるんですけどね。文章だけですみません。

ペンコさんは名画の人物が見につけているアクセサリーなんかを再現するのが好きなのですが、アクセサリーだけじゃなくて、かなり大型のレリーフみたいなのも作っています。

トンド・ドーニも銀を打ち出して作ったのですが、大きさは直径7cmぐらいでした。メダルみたいな感じですね。直径7cmにこのデザインというと、物凄く細かくなります。

そういえば、私のトンド・ドーニが出来た後でペンコさんにも画像を送ったんですけど、普段は返事をくれない人なんですが、自分の好きなタイプの作品だったようで「すげえ、すげえ!天才!!」なんてメールが来ました。返事が来そうだなと予測はしてましたけどね。過去にもHPを作った時にお知らせメールをしたら「おめでとう!」ってメールが来たっけ・・・。

ともあれ、こういうのを見て来ているので、自分も名画の切り絵を作りたく思ってたんですが、なかなか機会が無かったんですね。ただ今年の夏にこの方の個展を見に行って、名画の模写でも自分の個性を出す事は出来る事に気が付いて、その後で背中を押してくれたのがこちらの方の作品でした。新しいジャンルも開拓しないといけませんな。やってみて初めて気が付く事も多いし。ただ、アイデアに手が追いつかないのもあるのですが・・・。

と言う訳で、わりとトンド・ドーニを作品にする職人さんも多いって事です。他の技法で作ったトンド・ドーニも見たいなあ。フィレンツェモザイクとかフィレンツェモザイクとかフィレンツェモザイクとか・・・。

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コメント

もしかして、呼ばれてる????(笑)


マエストロに相談してみようか?(←じぶんでやれよって?(゚m゚*))

投稿: yossy | 2009年11月 5日 (木) 20時33分

yossyさん、はっはっは。呼んだら本当に来た!(って言うか、えらい早く来たね。)

トンド・ドーニのフィレンツェモザイクを作ったら凄い高く売れるぜ。・・・と、そそのかしてみる。
フィレンツェモザイクでキッチリした円形に仕上げるのは難しそうだね。

投稿: 俊寛 | 2009年11月 5日 (木) 21時57分

こちらの方は只今エネルギー充電中です。。。。
カボチャは台所のです。切ってないと2ヶ月くらいは平気でもつので。
自分は料理の業界で志す人とか目指す人とかは特にいませんが、他のジャンルのアーティストの方のほうが自分にとってはとても刺激になるんです。
もうちょいエネルギー充電を。。。

投稿: sasuraichef | 2009年11月 5日 (木) 23時18分

sasuraichefさん、異業種間で刺激を受ける事は多いですよ。一口に「職人」って言っても使う道具も素材も多種多様ですからね。

さて・・・充電してからのカボチャ彫刻を楽しみに待ってます。

投稿: 俊寛 | 2009年11月 6日 (金) 00時32分

俊寛さんのトンド・ド-ニ、素晴らしくてしばらく見ほれてしまいましたが、ビザンチン・モザイクや、額もすごいですね~~!! フィレンツェは、いろんなジャンルの凄腕の職人さんがたくさんいらっしゃるので、とっても勉強になります.

先日、バンキ親子さんとパオロ・ペンコさんの工房にいってきました.皆さん、「俊寛さんによろしく!」とおっしゃってましたよ~ 

投稿: mioko | 2009年11月 6日 (金) 16時32分

miokoさん、どうもありがとうございます。
こういうのを見ていると、自然に顔がほころんで来ますね。本当に凄いでしょう。

ついにペンコさんの工房にも行ったんですね。あの工房も面白いものがゴロゴロしてるでしょう。って言うか、ペンコさんはルネッサンスの名画からインスピレーションを得て作ってるから、miokoさんが見ると喜びそうな物が多いだろうなと思ってました。

ああ・・・何か皆に会いたくなって来たなあ。

投稿: 俊寛 | 2009年11月 6日 (金) 17時27分

ふふ。トンドドーニ製作中をブログでみたとき、
マッシモさん達の工房が真っ先に思い浮かべました。

芸術家って、触発されて触発して、
どんどん どんどん 技術が磨かれていくんですねえ。

額縁の製作過程、話しで聞くよりも、実際の光景を見ると、
理解度が深まります。勉強になりました。ありがとう♪


投稿: 陽子 | 2009年11月 7日 (土) 00時49分

陽子さん、そうそう。あの額縁はこんな風に作られたんです。完成品を見てるので、より一層、面白く見れるでしょう。
今の所、皆から刺激を受けてるだけですからねえ。私も他の職人さんに影響を与えれるようになれると良いのですが・・・。頑張るしかないなあ。

投稿: 俊寛 | 2009年11月 7日 (土) 01時50分

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