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2009年10月25日 (日)

一番、面倒くさい作業。

Buroguyou さて、額縁の彫刻の突出した部分は終りまして、後は引っ込んだ部分のパーツを作って貼っていく作業ですが、その前にやる事が一つ。

職人シリーズでは立体感を強調したい部分(例えば人物と壁の間など)に厚紙を貼ってパーツを浮かすと言う事をやってます。個展に来てくれて実物を見たお客さんには出来るだけ説明するようにしてるんですが(あまりに大勢のお客さんだと説明しそこなう事も多いんだけど・・・。)多分、私の説明だけじゃ理解できないだろうなと・・・。

というわけで画像を使って説明していきます。

まず画像1は額縁の右下の部分の表側と裏側です。裏側から見るとジグソーパズルみたいになっているのがお分かりいただけますでしょうか?

この作品では彫刻してある部分の立体感を強調したいので、裏側のすでに貼ってあるパーツの縁に、黒いケント紙を細長く切った物を適した長さに切って、輪郭線を縁取るように貼って行きます。最終的には穴(パーツを貼ってない部分)を黒ケント紙の壁が囲むようになります。

322_2 黒いケント紙は普通の画用紙と同じ厚さなんで、何枚も重ねて厚みを出します。この上からフタをするようにパーツを貼るわけですが貼り重ねたケント紙の厚みが増すほど、表から見ると引っ込んで見えるので立体感が強調されるわけです。

画像2がケント紙を貼ったところ。だいたい4回貼れば充分な効果が得られますが、今回は若干の立体感があればOKな部分なんで、2回貼り重ねただけで済ませてあります。

とは言え、かなり複雑な形に縁取る必要があるし、貼る場所も多いのでかなり大変な作業なんですけどね。

実はこの技法は単なる小細工なんです。そもそも切り絵の魅力とは「刃物で紙を切った事で絵あれる線の個性」なので。じゃあ何でこの技法をやるのかと言うと、まず私の切り絵って「切り絵に見えない。描いたようにも見える。」と時々言われるんです。ぴっちり貼り付けてあるので隙が無いのでしょうね。よく見ればこの技法を使わなくても、紙の厚みだけで立体感は出てるんですけど・・・。そんなわけなんで、ならばパーツを浮かしてしまえば、よもや描いてあるようには見えまい・・・と、このように考えたのです。で、この技法を使ってある部分も、そんなに主張せずに作品にしっくりと馴染んでいるので、まあやってもいいかなと。わざわざ手間のかかる事をやるのが好きって性分もありますが。323

そうそう。風景画ではこの技法は使ってません。風景画の場合、全体的に細かいので、この技法を使うと汚く見えちゃうんで。

画像3、額縁の下側の黒ケント紙を貼り終えたところ。全体の1/5が終了ですね。これだけで5時間かかった。5つに分かれた部分の模様は全て違うんだけど、今日貼った部分は一番シンプルなデザインだと思う。つまり残りの部分を貼るのはもっと大変だったりするわけだ。いつ終るかなあ。

・・・この技法は完成に近づく実感が得られにくいので、制作しててつまんないんだよね。地味で単純な作業もけっこう好きだけど流石にちょっと・・・。こういう部分を寝ている間に小人が出てきて終らせといてくれないかと思う事もあるけど、やってる間に頭の中で次に貼る部分のパーツの色なんかを熟成させているわけなんで、あながち無駄な時間を過ごしているわけではない(はずだ)。

・・・長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。

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コメント

制作過程がよくわかり、大変繊細な作業にびっくりです。気が遠くなりそうです。
名画以上の名画になること間違いなしですね。
名古屋の個展で拝見できるのを楽しみにしています。
お疲れの無いよう頑張ってください。
たまの息抜きも必要ですねhappy01

投稿: yoko | 2009年10月26日 (月) 01時50分

yokoさん、長い文章を読んでいただき、ありがとうございます。もうちょっと短く纏めれれば良いのですけどね。自分の文章力ではこれが限界です。
本当は実物を見せて、それで何かを感じてもらえればOKなんですが、説明も必要みたいなんで。

名古屋の展示会をお楽しみに。

投稿: 俊寛 | 2009年10月26日 (月) 03時20分

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