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2009年2月27日 (金)

ダビデ像3つ。

B_2 3日ほど前に三越・千葉店の個展に出す作品は納品したので、あとは初日から出るだけです。ホテルの予約とか、新幹線のチケットを買わなきゃな。

しばらく時間はあるのだけど、大作に取り掛かると、調子が出たとこで中断される事になりそうなんで、細かい作品を作ってみました。ダビデ像を3つ。いずれも10×10cmです。・・・これじゃ小さすぎて個展に出す事は出来んなあ。まあ、自分が欲しかった物だからな。たまには趣味に走るのも良いか。彫刻の切り絵を作るのって好きなんです。フィレンツェの風景シリーズでも、彫刻が登場してたりしましたからね。彫刻と人との対比が面白かったり、大理石やブロンズの質感の違いを楽しんだり・・・。こういう風に彫刻の顔だけ切り絵にするのは初めてです。

ちなみにダビデは旧約聖書の登場人物です。羊飼いをやってる時に戦争に参加して、勇猛な戦士・ゴリアテ(強そうな名前!でも確実に悪役の名前だ。)を倒した事で有名になりました。その後、イスラエルの王になっています。

ダビデの彫刻は、何人もの芸術家が作っていますが、今回はフィレンツェで見られう有名な3体のダビデ像の顔を切り絵にしました。

まずは、一番有名なミケランジェロのダビデ像です。ダビデ像は今までにも「フィレンツェの風景シリーズ」で作ってるんだけど、サイズ的にきっちりと顔を描く事が出来なかったのです。長い間、ダビデの顔を描きたいなあと思っていたので、やっと実現ですね。ダビデ像の瞳孔はハート型なんですが、このサイズなら形が確認出来ます。

私が小学校2年の時に持ってたジャポニカ学習帖に、このダビデ像の話が出て来ました。完成間近な時に、市長が見学に来たんだけど、自分のセンスに自信を持っている市長はミケランジェロに批評をする。「ダビデの鼻が少々高すぎると思うね、ミケランジェロ君。」ミケランジェロは鼻の近くまで登って、ノミでコツコツと隠し持った大理石の欠片を削り落とす・・・。つまり、ミケランジェロとしては鼻が高いとは思わなかったので、削ったふりをしたんですね。市長はそれに気が付かず「これで良くなった。」と満足したという。

何事につけ、知ったかぶるのは良くないですねえ。気を付けなきゃ恥をかくと、小学生の私は学習したのでした。ちなみに、そのジャポニカは落書き帖になってましたな。

A さて、2番目はドナテッロのダビデ像です。ルネッサンスの天才というと、ミケランジェロの他にはレオナルド・ダ・ビンチとラファエロですが、それに匹敵する芸術家というと、このドナテッロさんですね。根拠はアメリカの漫画のミュータント・タートルズに出てくる主役4人の名前がミケランジェロとレオナルドとラファエロと、このドナテッロだからです。まあ、それぐらい認知されてる名前ってことですな。

ミケランジェロのダビデ像は全裸ですが、このドナテッロのダビデは帽子(兜かも)と脛当ての他には何も身に付けてません。大事なとこは丸出しになってます。何か全裸よりもいやらしく見えますね。どうも男色趣味が出ているようですね。あの時代はだいたいの芸術家は男色の傾向がありましたからな。ドナテッロの他にもダ・ビンチは有名なサライと言う美少年を連れていたし、「ビーナスの誕生」で有名なボッティチェッリは男色で告発されている。ミケランジェロも老境に入ってから若者に過剰な好意を示した手紙を書いたりしてたな。男色の疑いが無さそうなのは、女遊びをしまくってたラファエロと、坊主のくせに子供まで作っちゃったフィリッポ・リッピぐらいですか。あとライバルのチェリーニを「このホモ野郎」と罵った彫刻家のバッチョ・バンディネッリも大丈夫そうだ。

フィレンツェに住んでた頃に、女友達の同居人がゲイで、インターネットで恋人を見つけたんだって。紹介してもらったけど、このダビデ像みたいな美少年だったな。髪の毛がクルクルッとカールしていた。「触らせてもらいなよ。」と言われたので触らせてもらいましたが、きれいな髪の毛でしたな。(・・・今日は何を書いてるんだろう。私はそっちの趣味は無いですからね。)

アルカイックスマイルな表情や、とてもブロンズとは思えぬ温もりを感じさせる仕上がり・・・。ドナテッロの作品の中でも傑作と言えましょうな。

Firenze029a 3番目はヴェロッキオのダビデ像です。少年時代のダ・ビンチや、青年期に入ったボッティチェッリの師匠でもあります。このダビデ像も少年時代のダ・ビンチがモデルになったといわれています。甘い表情をたたえたこの像からは、「神のごとき美貌」と謳われた美少年っぷりが想像されるというものです。

ちなみに、この像は軽装の鎧に身を固めています。「清々しい若武者ぶり」って感じですな。健全。

ヴェロッキオは所謂「ルネッサンスの芸術家」らしく、彫刻・絵画・建築と多方面に才能を現した人ですが、ある時、絵画の一部を弟子のダ・ビンチに描かせた所、弟子の才能の方が自分を上回っていると感じたのか、以後絵を描くことを辞めたと言われています。ただ、弟子の才能に嫉妬したと言うよりも、絵画を弟子に任せて自分は彫刻に専念する事にしたようです。この彫刻からは2人の良好な師弟関係が想像出来るような気がしますね。

・・・今回の作品、小さいので展示会に出すのはどうかと思ったけど、3つを同じ額に入れるってのも良いかもな。いや、まだまだダビデ像の彫刻はあるんだから、作れるだけ作って一つの額に入れるのも良いかもしれない。ミケランジェロとドナッテッロはそれぞれ趣の異なるダビデ像を作ってるし、フィレンツェのドゥオーモを設計したブルネレスキもダビデ像を作ってるしな。(まだ見たことがないです。)。今度、フィレンツェに行く時は「ダビデ像を探す旅」と言うテーマで美術館を訪ねるのも面白そうだな。

・・・こういう風にやりたい事があり過ぎて困るのです。作らなきゃ行けない作品が溜まってますからねえ。

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コメント

描く人によってダビデ像も色々違うもんどすなぁ
ウチは3番目の「ヴェロッキオのダビデ像」がお気に入りどす^^

いよいよ関東どすか
体調を崩さないように楽しんできておくれやす
俊寛はんは花粉症は無いお人どすか?

 

投稿: こころん♪  | 2009年2月27日 (金) 20時32分

こころん♪さん、すみません。このダビデ像は全部彫刻なんです。描かれたものではありませんよ。
私の紹介の仕方が悪かったみたいなので、本文中にも書き加えておきました。
それぞれ良いダビデ像でしょ♪

花粉症ですけど、今日は特に酷い。鼻水が止まりません。さっき薬を飲んだので止まりましたけど、千葉にも薬を持って行かなきゃいけませんねえ。

投稿: 俊寛 | 2009年2月27日 (金) 21時12分

1つの額に沢山のダビデも面白そうですね!
続きを楽しみにしてますね~

私はミケちゃんのダビデですね。
なんて言っても・・・う・な・じ
あ、まずい!私も怪しいコメントになってしまった(^^;

投稿: Andy | 2009年2月27日 (金) 21時25分

Andyさん、いずれも素晴らしいダビデ像ですけど、やっぱりミケランジェロのは別格ですね。一度見たら忘れない。

まあ、女性が男性のうなじに魅力を感じるのは健全でよろしいかと思いますよ。塩野七生さんもエッセイで男性のうなじについてこだわってたし。

投稿: 俊寛 | 2009年2月27日 (金) 21時58分

私の中では、「ドナテルロの有名なあれ」とか「ヴェロッキオのあの彫刻」で済ませていて、ダビデだって認識がなかったです。
そうだったんだ。

美しいですね。
切り絵でイタリア・ルネサンスって、オーケストラ曲をピアノに編曲みたいで、面白い。

投稿: コータ | 2009年2月28日 (土) 00時42分

コータさん、その症状が進むと、何でもかんでも「あれ」とか「あの」なんて事になります。うちのおばあさんがそうです。

同じ題材でも作家によって違いますからね。見比べてみると面白いです。私もそんなに詳しいわけではないので、他にどんな作家がダビデ像を作ってるんだろうなと・・・。カノーヴァとかベルニーニなんかが作ってるとすごいのになってそ
うです。見てみたいですね。

切り絵をイタリア・ルネサンスで・・・かっこいいコメントですね。ありがとうございます。次に何か作る時に意識してみます。

投稿: 俊寛 | 2009年2月28日 (土) 03時03分

 今度は、千葉で個展されるんですねー。いつか近畿圏内でも、ぜひやってくださいねー!!
 千葉での個展がんばってきてくださーい。

投稿: toscana-takeshi | 2009年2月28日 (土) 13時23分

toscana-takeshiさん、ありがとうございます。頑張ります。
来年の2月には京都でやる予定なのでよろしくお願いしますね。

投稿: 俊寛 | 2009年2月28日 (土) 13時28分

ダビデ像も作者により、こんなに違うんですね。
実物を見てみたい気分になりました。ミケランジェロの彫刻の顔の部分が詳しくわかり、嬉しいです。(o^-^o)


千葉の個展で多くの人に俊寛さんの切り絵の素晴らしさを見てもらってくださいね。頑張ってください。

投稿: yoko | 2009年3月 1日 (日) 02時21分

yokoさん、そうなんです。こんな顔なんですねえ。ハンサムでしょう?以前から作りたくてしょうがなかったモチーフで、気合入れて作ったので気に入ってもらえて嬉しいです。

もうじき千葉行きです。いつもとは勝手が違うので色々大変ですけど、出来る限り頑張ります。

投稿: 俊寛 | 2009年3月 1日 (日) 03時33分

ドナッテッロ、好きです。と言うか、「このブロンズ、良いな~」と作者を見るとドナッテッロだったりします。
フィレンツェで知り合った男性の約半数がゲイだったような。。。でも、女性では会わなかったです。
千葉の個展、日曜日の午後に友人と行く予定です。

投稿: MAYU | 2009年3月 1日 (日) 11時01分

MAYUさん、そういう鑑賞の仕方って良いですねえ!先入観無しで自然と自分の感性にあった作品と作家になじんで行く・・・。
出会った男の半数がゲイですか。よほど男運が悪いようで。(・・・って、違うか。)でも確率的にはすごいですね。私はそんなに知らないなあ。とりあえず、職人さんでゲイの人には会った事がない。私が知らないだけかもしれませんが。

日曜日、お待ちしてます。

投稿: 俊寛 | 2009年3月 1日 (日) 12時23分

>ジャポニカ学習帖に、このダビデ像
何となく思い出した。そういえばあったかな?
懐かしいなぁ・・・
千葉での個展、成功を祈っているよ。
いつになったら一緒に飲めるのかな?
これまた気長に待ってるよ

投稿: あしたのもと | 2009年3月 1日 (日) 20時51分

あしたのもとさん、勉強には使わなかったけど、こういう知識は頭にインプットされてるんだよなあ。正しい方向に頭を使ってれば今頃は医者か弁護士にはなれてたかも・・・。
個展が終ったら、しばらくの間はいつでもOKだよ。誘って。

投稿: 俊寛 | 2009年3月 1日 (日) 21時09分

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