ダビデ像3つ。
3日ほど前に三越・千葉店の個展に出す作品は納品したので、あとは初日から出るだけです。ホテルの予約とか、新幹線のチケットを買わなきゃな。
しばらく時間はあるのだけど、大作に取り掛かると、調子が出たとこで中断される事になりそうなんで、細かい作品を作ってみました。ダビデ像を3つ。いずれも10×10cmです。・・・これじゃ小さすぎて個展に出す事は出来んなあ。まあ、自分が欲しかった物だからな。たまには趣味に走るのも良いか。彫刻の切り絵を作るのって好きなんです。フィレンツェの風景シリーズでも、彫刻が登場してたりしましたからね。彫刻と人との対比が面白かったり、大理石やブロンズの質感の違いを楽しんだり・・・。こういう風に彫刻の顔だけ切り絵にするのは初めてです。
ちなみにダビデは旧約聖書の登場人物です。羊飼いをやってる時に戦争に参加して、勇猛な戦士・ゴリアテ(強そうな名前!でも確実に悪役の名前だ。)を倒した事で有名になりました。その後、イスラエルの王になっています。
ダビデの彫刻は、何人もの芸術家が作っていますが、今回はフィレンツェで見られう有名な3体のダビデ像の顔を切り絵にしました。
まずは、一番有名なミケランジェロのダビデ像です。ダビデ像は今までにも「フィレンツェの風景シリーズ」で作ってるんだけど、サイズ的にきっちりと顔を描く事が出来なかったのです。長い間、ダビデの顔を描きたいなあと思っていたので、やっと実現ですね。ダビデ像の瞳孔はハート型なんですが、このサイズなら形が確認出来ます。
私が小学校2年の時に持ってたジャポニカ学習帖に、このダビデ像の話が出て来ました。完成間近な時に、市長が見学に来たんだけど、自分のセンスに自信を持っている市長はミケランジェロに批評をする。「ダビデの鼻が少々高すぎると思うね、ミケランジェロ君。」ミケランジェロは鼻の近くまで登って、ノミでコツコツと隠し持った大理石の欠片を削り落とす・・・。つまり、ミケランジェロとしては鼻が高いとは思わなかったので、削ったふりをしたんですね。市長はそれに気が付かず「これで良くなった。」と満足したという。
何事につけ、知ったかぶるのは良くないですねえ。気を付けなきゃ恥をかくと、小学生の私は学習したのでした。ちなみに、そのジャポニカは落書き帖になってましたな。
さて、2番目はドナテッロのダビデ像です。ルネッサンスの天才というと、ミケランジェロの他にはレオナルド・ダ・ビンチとラファエロですが、それに匹敵する芸術家というと、このドナテッロさんですね。根拠はアメリカの漫画のミュータント・タートルズに出てくる主役4人の名前がミケランジェロとレオナルドとラファエロと、このドナテッロだからです。まあ、それぐらい認知されてる名前ってことですな。
ミケランジェロのダビデ像は全裸ですが、このドナテッロのダビデは帽子(兜かも)と脛当ての他には何も身に付けてません。大事なとこは丸出しになってます。何か全裸よりもいやらしく見えますね。どうも男色趣味が出ているようですね。あの時代はだいたいの芸術家は男色の傾向がありましたからな。ドナテッロの他にもダ・ビンチは有名なサライと言う美少年を連れていたし、「ビーナスの誕生」で有名なボッティチェッリは男色で告発されている。ミケランジェロも老境に入ってから若者に過剰な好意を示した手紙を書いたりしてたな。男色の疑いが無さそうなのは、女遊びをしまくってたラファエロと、坊主のくせに子供まで作っちゃったフィリッポ・リッピぐらいですか。あとライバルのチェリーニを「このホモ野郎」と罵った彫刻家のバッチョ・バンディネッリも大丈夫そうだ。
フィレンツェに住んでた頃に、女友達の同居人がゲイで、インターネットで恋人を見つけたんだって。紹介してもらったけど、このダビデ像みたいな美少年だったな。髪の毛がクルクルッとカールしていた。「触らせてもらいなよ。」と言われたので触らせてもらいましたが、きれいな髪の毛でしたな。(・・・今日は何を書いてるんだろう。私はそっちの趣味は無いですからね。)
アルカイックスマイルな表情や、とてもブロンズとは思えぬ温もりを感じさせる仕上がり・・・。ドナテッロの作品の中でも傑作と言えましょうな。
3番目はヴェロッキオのダビデ像です。少年時代のダ・ビンチや、青年期に入ったボッティチェッリの師匠でもあります。このダビデ像も少年時代のダ・ビンチがモデルになったといわれています。甘い表情をたたえたこの像からは、「神のごとき美貌」と謳われた美少年っぷりが想像されるというものです。
ちなみに、この像は軽装の鎧に身を固めています。「清々しい若武者ぶり」って感じですな。健全。
ヴェロッキオは所謂「ルネッサンスの芸術家」らしく、彫刻・絵画・建築と多方面に才能を現した人ですが、ある時、絵画の一部を弟子のダ・ビンチに描かせた所、弟子の才能の方が自分を上回っていると感じたのか、以後絵を描くことを辞めたと言われています。ただ、弟子の才能に嫉妬したと言うよりも、絵画を弟子に任せて自分は彫刻に専念する事にしたようです。この彫刻からは2人の良好な師弟関係が想像出来るような気がしますね。
・・・今回の作品、小さいので展示会に出すのはどうかと思ったけど、3つを同じ額に入れるってのも良いかもな。いや、まだまだダビデ像の彫刻はあるんだから、作れるだけ作って一つの額に入れるのも良いかもしれない。ミケランジェロとドナッテッロはそれぞれ趣の異なるダビデ像を作ってるし、フィレンツェのドゥオーモを設計したブルネレスキもダビデ像を作ってるしな。(まだ見たことがないです。)。今度、フィレンツェに行く時は「ダビデ像を探す旅」と言うテーマで美術館を訪ねるのも面白そうだな。
・・・こういう風にやりたい事があり過ぎて困るのです。作らなきゃ行けない作品が溜まってますからねえ。






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