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2008年5月 2日 (金)

帽子木型職人 ルチアーノ・ビーニ

1512_2  今日からしばらくの間、4月2日から30日までのイタリア滞在の事を書いて行きます。

画像は帽子の木型職人、ルチアーノ・ビーニさん。イタリア出発前にブログに書いたロベルト・ビーニさんの10歳上のお兄さんです。昨年・今年と下宿させてもらった部屋の大家さんでもあります。(昨年はロベルトさんが大家だったのですが、彼が8月に亡くなった後はルチアーノさんが大家を引き継いだのです。)

実はルチアーノさんとは今まで喋った事が無かったのです。私けっこう人見知りする性質なので、話しかけるきっかけを逃すとずっと喋れないんです。多分ルチアーノさんも私のことは知らないだろうなと。昨年下宿させてもらった部屋を今年も借りる事になったので、良い機会なので到着した翌日に挨拶に行きました。

自己紹介するついでにロベルトさんの切り絵の写真もあげようと思ってA4のサイズにプリントして持って行きました。

「今日は。あの、私はこの絵を描いた・・・。」と言ってルチアーノさんに写真を差し出すと、えらく驚いた様子。

「あーっ!!君だったのか!?君の事をずっと探してたんだ!!」

ロベルトさんのお葬式の後で、私の作品の前で2人で写った写真が出て来て、ロベルトの奥さんが「何だろう、この絵?」と興味を持ったんだそうです。遺品の整理をした時に、ロベルトさんにあげたA4サイズの作品の写真は出て来たから、どんな作品なのかはわかったのです。「しかし、この絵を描いたであろう、ロベルトと一緒に写真に写ってる彼は何者で、現在この作品はどこにあるのか?」

この半年間、遺族の間でミステリーだったんだそうです。彼らの持ち家で長年下宿しているYさんは私の昔のバイト仲間なので、Yさんに聞けばすぐにわかったんだけどね。

「いやあ、実は一年前にも一ヶ月間あなた方の家に住まわせてもらいまして、今回も1ヶ月間下宿さてもらいますので、どうぞよろしく。」

「えっ!? さっきYとお昼ご飯を食べてて聞いたんだけど、今月住むYの友達って君の事だったの? そうか、そうだったんだ・・・。」

と、一気にすべての謎が解けたので嬉しそうでした。

一つ4月1日の記事で間違えた情報があるので訂正。ビーニ工房を閉めると書きましたが、規模は縮小するけどまだしばらくの間は続けるんだそうです。新しい職人さんも一人入ったそうです。

こうなるとルチアーノさんも切り絵にしたくなりました。何だかすごく良い感じに知り合っちゃったし。(ロベルトさんの生きてるうちに作れば良かったと後悔もしてるけどね。)画像はロベルトさんの切り絵と同じ構図で撮影したけど、ルチアーノさんの切り絵を同じ構図・同じサイズで対になるように作るか、全く新しいアプローチでやってみるか迷うとこですね。あの切り絵を作ったのは6年も前なので同じ構図で作っても雰囲気がちょっと違う物になりそうですが・・・。

で、帰国寸前にロベルトさんの遺族の方々と協議の結果、切り絵を買ってもらう事になりました!多分ロベルトさんの娘さんの所に行く事になりそうです。彼らがどんな気持ちで私の作品の事を考えてくれてたかと思うと、胸が詰まりそうになります。イタリア最後の晩にYさんと、もう一人の同居人のEちゃん(彼女もこの家に長く住んでます。)にも話が伝わってたので、2人とも喜んでくれました。ロベルトさんを知る人たちに、こういう形で関われて思い出を共有できて・・・。今回ほど職人シリーズを続けてきて良かったって思ったことは無いですね。

ルチアーノさんとも今回の滞在で仲良くなれました。柔和で優しい人です。Yさんも呼んで一緒に昼ごはんに連れてってもらったしね。頑張って彼の切り絵も作らなきゃ。

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コメント

感動!!weep
作家冥利につきますね。
これからもこういう出会いがあることを祈ります。

投稿: くろきち | 2008年5月 2日 (金) 09時18分

素晴らしいお話しに感動しました!

投稿: ふぁーぐる | 2008年5月 2日 (金) 10時41分

いきなり、素敵な出会いに感動しました。
人と人、人と作品、それらの綾なす結びつき。

俊寛さんのプロフィールの写真と、ルチアーノ・ビーニさんの写真が同じような姿勢で、見てると重なってくるような気が……。

投稿: たっぽう | 2008年5月 2日 (金) 13時10分

くろきちさん、いや本当に。でも、こういう出会いって滅多に無いからこそ価値があるのかもしれませんね。ビーニ家との縁を大切にして行かなきゃ。

ふぁーぐるさん、ありがとうございます。私も思い出す度に良い気分です。

たっぽうさん、人の縁の不思議さを感じます。しかも私の作品が関わっているので、本当に作家冥利に尽きますね。
・・・似てますかねえ?そうすると30年後にはルチアーノさんみたいになるのですか。ふーん・・・。

投稿: 俊寛 | 2008年5月 2日 (金) 19時56分

俊寛さん、お帰りなさいです!

素敵な出会いをして…これからの作品が今まで以上に良いものになりそうですね。
これからの作品&イタリア滞在のお話、楽しみにしてます!

投稿: 写真の人 | 2008年5月 2日 (金) 20時00分

写真の人さん、ただいまです!
そうですね。こういう出会いが人を鍛えて行く。より良い方向に進んで行かなきゃって思いますね。

投稿: 俊寛 | 2008年5月 2日 (金) 20時09分

読んでいてなんだか目頭が熱くなりました。
きっと天国でロベルトさんも喜んでいらっしゃいますね。
これからも作品を通じてこんな素敵な出会いが沢山あるんでしょうね!
職人同士だからこそ解かり合える何かが縁を結んでいくんだと思います。
職人て、かっこいいなぁ~。happy01

投稿: うさぴょん | 2008年5月 2日 (金) 22時13分

うさぴょんさん、ありがとうございます。
「どこかでロベルトさんが見てくれてるから。」そう信じれる出会いだったと思います。作品を通じて分かり合う事が出来る。幸せを感じています。

投稿: 俊寛 | 2008年5月 2日 (金) 23時38分

なるほど、意外にそういうものかもしれませんね
寸でのところですれ違っていたり。
ただ、俊寛さんのお作品が、職人にとっても
追い風であることは確かなように思います。

投稿: N.Kojima | 2008年5月 3日 (土) 00時24分

N.Kojimaさん、でも会うべくして会ったって気はしております。
「追い風」なんですかね。そう思ってくれてると嬉しいですねえ。制作するにあたって一番のモチベーションでしょうし。

投稿: 俊寛 | 2008年5月 3日 (土) 01時44分

私のお客さんでも帽子を作っているから、帽子の木型はだいたいわかるよ。(社会人1年目で新規開拓した得意先)
頭の丸い部分、あれを作るのは大変だろうなぁ

投稿: あしたのもと | 2008年5月 3日 (土) 12時04分

あしたのもとさん、ある程度ノコで切って、後はノミやカンナで削って行くんです。写真でルチアーノさんが使っているのはカンナ。ハンガーみたいな形だよね。
日本の木型屋さんはどんな道具を使ってるんだろう・・・。

投稿: 俊寛 | 2008年5月 3日 (土) 16時32分

ぬるま湯につかってないで、
わたくしも気合い入れますわぃ♪

バイオリン、、いつまでも待ってます♪♫


投稿: あ | 2008年5月 5日 (月) 18時38分

あさん、よしよし。人生は気合です。
バイオリンは・・・頑張って稼いで!

投稿: 俊寛 | 2008年5月 5日 (月) 18時54分

遅ればせながら、お帰りなさい。

凄い、再会というか・・・忘れられない出会いになりましたね。
素敵です♪
職人同士の繋がりもあるだろうし、これもまた大きな財産、人脈ですね。
また素敵な切り絵作品ができますネscissors

投稿: マッサ | 2008年5月 5日 (月) 21時16分

マッサさん、遅ればせながらただいま。
私の一番大切な財産です。こういう出会いがあるからこそ、楽しく制作出来るんですね。

投稿: 俊寛 | 2008年5月 5日 (月) 21時38分

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