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2007年8月28日 (火)

たまには近況報告でも。

Img_3652 1ヶ月以上、昔の作品ばかり公開してたので近況報告をば。

と言っても「女の子と海へ行った。」なんて話は全然無いです。6月に帰国して以来、ほとんど休み無しで制作しております。帰国直後に高校の同級生とランチ、小学生の同級生のジャズピアニストのコンサート、友達の個展に2回、合計4回外出しただけですねえ。まあ定期的にジムは通ってるので、完全に家に閉じこもってる訳じゃないですが。

で、現在制作中の作品。時期的に夏休みの成果みたいな感じですな。全部切り終って、この後真っ黒に塗りつぶすのですが、その前に記念写真。燃え尽きたような顔で写ってますが、大変なのはこれからなのである。色を付けたパーツを貼っていかなきゃならない。全体の工程としてはようやく6割が終わった所ですな。

画像からは何が描かれてるのかわからないでしょうけど、「とにかく大きくて細かい作品」を作っている事だけ理解してくれればいいです。公開は名古屋及び東京の個展にて。ブログやHPでは公開しないのであしからず。

ウェブ上では立体感は出ないし、縮小しているわけだから細かい部分もつぶれちゃうので、私としてはやっぱり実物を直接見てほしいです。普段隠している作品も展示するので10月には名古屋、12月には東京の個展をお忘れなく!!

「遠方なのでとても個展に行くのは無理。でも見たい!」という方はメールアドレス教えてくださいませ。

さて、ここ数年は「より大きく細かく丁寧に」という方針で制作してます。今回の作品は1×1,5mなので、これまでの最大のサイズです。2年前から暖めていたネタなので、今の自分に出来る最高の作品に仕上げたい。

でかい作品の制作って気持ち良いですよ。机からはみだしちゃうので床に置いて作業するんだけど、あちこち動き回る事になるから身体全部使う。机上で指先だけ使ってこまごまとした作業じゃないからね。完成させるまで大変だけど、難しいからこそ気持ちも燃え上がるというものです。

しかし後1ヶ月半で間に合うのかなあ。個展の案内状の宛名書きとか、額縁の準備とか、いろいろ忙しい中での制作になりそうですが。・・・ううむ。

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2007年8月21日 (火)

昔の作品番外編。職人シリーズ用のスケッチ。

La_traccia083 番外編で随分引っ張りましたが、今回で終了。最後に職人シリーズ用のスケッチを公開。全て鉛筆で描いてあります。

1番目と2番目は靴職人、ロベルト・ウゴリーニさんの工房にて。この工房は壁一面に木型がかかっていて、とても絵になる工房。何人か日本人も弟子として働いているし、下宿から近いのでほとんど毎日通ってスケッチをしてました。

La_traccia0841番目は靴の木型のスケッチ。壁一面にかかってる木型全てをスケッチしました。(本当はもう2ページ分、木型のスケッチがあるんですけどね。)ずっと同じ位置に木型があるわけではないから全部スケッチする必要はないんだけど、この時は全て描ききる事により何かがつかめると考えていた。

2番目は机の上にある物のスケッチ。特徴ある形のハンマーやペンチ等。右の方に簡単に靴を縫っているときの手つきも描いてある。結局この作品では縫いの場面ではなくハンマーを使っている場面になったけど。

La_traccia085 3番目は帽子の木型職人、ロベルト・ビーニさんの工房にて。この工房は靴のウゴリーニさんの工房の近くにあるので、ウゴリーニさんの切り絵を作っている時に知り合った。

壁にいろんな道具がかけてあります。中央には工房がある広場「サント・スピリト広場」を描いた油絵がかかっている。こういうのは写真1枚あれば済むんだけどね。フィルム・現像代も節約したかったし。その点、今はデジカメを使っているので、思う存分に写真が撮れる。

La_traccia086 4番目はバイオリン職人のカルロ・ベットーリさんの工房。バイオリンの表板を作る時に使う型、カンナ、しゃこ万力等。左下にあるのもカンナです。小指ぐらいの大きさの極小カンナ。

右下はスケッチをしている時に遊びに来たベットーリさんの友達(客かもしれないけど。)バイオリンを手に取って見てたので、作品に組み込めるかも知れないなと思い、素早くスケッチ。実際の作品には登場させなかったけどね。

ここまでは「工房にある物を全部スケッチするぞ!」ぐらいの勢いだったのですが、ベットーリさんに「お前が来ると仕事に集中出来ないよ。」と言われました。流石に申し訳なく思ったので、以後は写真を撮れるだけ撮って、どうしてもわからない所だけ改めて取材させてもらうという方針に変えました。一つの作品にも徹底的に追求するという事なら、一生懸命スケッチをして自分の中の世界を固めるという過程は必要なのですが、職人さんの好意で取材させてもらってるので仕事の邪魔をするのは良くないですからね。

ちなみにベットーリさんとは完成した作品を持っていったら大喜びで、無事に仲直り出来ました。

La_traccia087 最後の画像は彫金家のパオロ・ペンコさんの工房にて。マッチ棒みたいな物がたくさん描かれていますが、これはモーターツール(ペンのように使える電動ドリル)という道具の先端部分。先端の部品を交換する事により、ドリルからヤスリまで用途によって使い分ける。こういう細かい部品は写真ではわかりづらいので、スケッチして形状を把握した方が良い。

現在も相変わらずイタリアの職人シリーズの切り絵をやってますが、わかんない部分があるのでちょっとイタリアまで見に行くなんて事は出来ませんので、同じ物でもいろんな角度から写真を撮って来ます。本当はちゃんとスケッチをしてから本番に取り組みたい所ですけどね。せめて、この頃の気持ちだけは忘れぬように、真摯に制作に取り組んで行こうと思います。

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2007年8月18日 (土)

昔の作品番外編。使わなかったスケッチ2。

La_traccia079_3 上の画像はボローニャの噴水のスケッチ。ペンとカラーインクにて。海神ネプチューンの像が中央にあって、周囲に数体の人魚の像が取り囲んでいる噴水。このネプチューンの噴水は黒光りするブロンズ製ですごく格好良い。(フィレンツェにもネプチューンの噴水はあるんだけど、こちらは大理石製でプロポーションも悪く、風呂上りのオッサンみたいです。)

切り絵にしようと下絵を描いたんだけど、上手くまとまらなくて放棄しました。結局、この時は同じ日に取材していたボローニャの八百屋さんを切り絵にした。(8月10日のブログ参照。)La_traccia080

2番目の画像はシエナの風景。これもペンとカラーインクで描いてあります。これは正確にはスケッチじゃないですね。下宿で写真を見ながら描いたから。「アイデアスケッチ」ですな。フィレンツェからのバスを降りるとこの風景が見える。手前の教会と遠景のドゥオーモの対比が美しい。

何で、これを切り絵にしなかったかと言うと、当時は風景を見たまま作品にするという事に抵抗があったのです。何かひとひねり無いと絵葉書みたいなつまらない作品になるんじゃないかと思ってました。匠気を意識し過ぎてたんですかねえ。変な部分に力が入ってたと言うか・・・。まあ若かったって事かな。今だったら、そういったこだわりも無いのでサラッと作れますが。

シエナの風景以外は鉛筆で描いたアイデアスケッチ。廃墟と猫とヒナゲシを組み合わせて作品にしたかったんだけど、これも上手くまとまらなかったな。

Image1 3番目の画像、全てペンとカラーインクです。

左側は友達の猫です。モップみたいなクシャッとした毛の黒猫。友達の家は田舎なので、5,6匹放し飼いになってました。・・・にしても猫の前足って何でこんなに可愛いんだろう。

中央はいろんなバイク。下宿の近所に停まってたのを描いた。このスケッチを見た友達に「鳥山明みたい。」と言われました。男はメカ好きだからな。この中でベスパはボローニャの八百屋の切り絵に小さく出ています。

左側は使用したスケッチ。モザイク職人の切り絵用。道具と天井に吊ってあるランプ。ライオンのレリーフは工房の壁に飾ってあった。

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2007年8月17日 (金)

昔の作品番外編。使わなかったスケッチ1。

La_traccia076_3 フィレンツェ近郊はワインの産地なので、葡萄畑は多いです。職人シリーズを始める前は、ちょくちょくスケッチブックとカメラを持って遠足してたのですが、必然的に葡萄畑も目に入る。

まあ、あまり安易な気分で作品にしたくないというのはありましたね。で、結局未だに葡萄の木の切り絵は作ってません。

画像1と2はモンテ・リッジォーネにて。シエナ近郊の城塞都市ですね。城塞都市と言っても城壁の直径は歩いて3分無いぐらい小さい町ですが。で、城壁の周りは葡萄畑がじろがっている。

立ち入りして良いものかどうかわかりませんが、注意されたら謝ろうという事で、葡萄畑の中をうろついて、気に入った1本の前に腰を下ろしてスケッチする。このスケッチはペンとカラーインクで描いてあります。La_traccia078_2

収穫前だったようで、既に葡萄の実はたわわに実っていました。私は周囲を見回し、誰も見ていない事を確認して何粒かちぎって口の中に放り込んだ。(泥棒・・・。)

ワイン用の葡萄だから、生で食べて美味しいかどうか知りたかったのですが、大変濃厚な甘さと芳醇な香り。ただデザートとして食べる葡萄に比べると水分は少ないような気がしました。ネットリとした感じだったかな。

3番目の画像は葡萄の葉だけを描いたもの。これは現地でスケッチしたのではなく、家に持ち帰ってから描いた。秋だったので色付いた葉もあれば、枯れちゃった葉もある。逆にまだ青い葉もあったりして、同じ木に生えている葡萄の葉でも生えている場所によって違う表情を見せてくれる。

葉っぱだけスーパーのビニール袋La_traccia077に入れてる姿は怪しげだったかもね。

うーん、久々にスケッチブックをめくってみたけど、葡萄の木はやりたいですねえ。 ワインの醸造もある意味、職人仕事だし・・・。葡萄の収穫なんて絵になりそうだけど、そうなると秋にイタリアに行かなきゃならんな。

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2007年8月13日 (月)

昔の作品番外編。スケッチブックより。

Image11_3 作品ではないけど、作品になるまでに描いたスケッチを公開します。普段はコピーに失敗した紙の裏側なんかにアイデアスケッチを描く事が多いので、残ってない事も多いんですけどね。

画像は以前このブログで公開したのシュールな切り絵のアイデアスケッチ。3枚を一まとめにしました。クリックすれば大きい画面になりますので。

1が初めて描いたもの。ペンとカラーインクで描いてあります。これが現実のクレーマという場所のドゥオーモ。ちゃんと後方に建物本体と鐘楼が見える。描いた後、アーチの部分にランプがあると良いかもと思って、鉛筆で簡単に描きこんだ。

「吊りランプ」、「アーチ少し下げる」、「ファザードのみにする」というメモも書いてある。気になった事を書いておかないと忘れるから。

2が1を参考にしつつ描いたもの。メモどおり建物の後ろはバッサリ切ってファザードだけが立っている絵になった。メモはしなかったけど、町並みも消してある。吊りランプはやっぱりいらないや、と思ったらしく描いてない。

アイデアスケッチの右側には鳩のスケッチが描かれてる。フィレンツェのシニョーリア広場まで出て鳩を追い回しながらスケッチした。やつらは動き回るので、1点描くのにも苦労した。La_traccia65_2

3は左右を反転させた。同時に配色もこの色で決定。イメージが固まったので、実際の下絵に取り掛かる。

横に「Shunkan」と書かれてますが、作品に入れるサインの習作です。面白い形のサインにならないかといじってみたが、結局は今でも普通に書き込んでいる。

左隅と中央下に描かれているのは他の作品の為のスケッチ。左隅のはランツィのロッジアという建物の装飾の部分。中央下はバイオリン職人のカルロ・ベットーリさん。余白が余ったので一枚の紙にいろんな作品のスケッチが描いてある事が多いです。

で、出来上がった作品。最近は、頭の中でイメージが固まっちゃうというのもあるし、慣れもあるので、ここまできちんとアイデアスケッチをやる事はないですね。しかし頭の中で考えているだけと、簡単なスケッチとは言え実際に描いてみるという事を比べてみた場合、やっぱり手を動かして描く方がイメージはより強く固まるのである。ああでもない、こうでもないと、物事をいろんな角度から眺めてみる。同じ物でも徹底的にいじり倒す。絵を描く事の基本ですね。

La_traccia075もう一つスケッチブックより。オリーブの木のスケッチ。鉛筆で描いてあります。枝も描きたかったけど、本当に描くとなると、ゴチャゴチャして実際の下絵を描く参考にならないので、幹の様子のみ描いて、枝は別の紙に適当にスケッチした。

右下にある汚れはエアブラシの試し吹き。こういのこそ、チラシの裏にすればよいのですがねえ。面倒くさくなって手元にあったスケッチブックに吹いちゃったらしい。

で、このスケッチを元に出来た作品。「オリーブと人と」。オリーブの木に関しては、この時だけでなく何回かスケッチをしているが、下絵の段階でかなりてこずった。

La_traccia064_3

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2007年8月10日 (金)

昔の作品その67。職人シリーズ前夜。

La_traccia68_2 作品67、「ボローニャの街角にて」。サイズは40×30cm。2001年10月制作。

ボローニャはフィレンツェから電車で北へ1時間行った所にあります。食通で有名な町。だから食材が登場する絵にしたいなと思って、ウロウロしていた時に八百屋さんを発見。いろんな野菜を描くのが楽しかった。建物もピンク色で、フィレンツェの町並みとは違ってて面白い。

野菜に関してはイタリアの方が新鮮で美味しいですな。日本は農協に行っても中国産が置いてあるぐらいだし。トマト、人参、ほうれん草は確実に日本産よりも味が濃い。ピーマンとカボチャは日本産とは味が違うので、それぞれ個性の違いを楽しめる。メロンは、この頃は一玉1、5ユーロ(日本円で300円ぐらいかな。)で買えました。安いですね。

桃だけは日本産の方が美味しいです。水分たっぷりだしね。イタリア産の桃はコリコリと硬くて、ちょっと酸っぱい。ジェラートにすると美味しいけどね。どういうわけか桃のジェラートは季節限定らしくて夏しか出てこない。つまりこの5年間食べてないのだ。・・・なんか食べたくなってきたなあ、ペルケ・ノーという店で売ってる桃のジェラート。昔「桃のジェラートが好きだ。」と言ったら「オカマじゃあるまいし!」と女友達に笑われた事がある。余計なお世話である。(私はオカマという意味ではない。)

大根、白菜は元々イタリアには無かった野菜ですが、ちょっと大きめの市場なら売ってますね。大根はDAIKON、白菜はCAVOLO CINESE(中国キャベツ)という名前で売られてます。イタリアで未だに手に入らない野菜はレンコンとゴボウ。ゴボウをすりおろして味噌汁に入れるとコクが出て美味いんだよなあ。

この作品の次に靴職人の切り絵を作りました。以後、職人さんの切り絵がメインになってます。まさか、職人の切り絵専門になるとは思いませんでしたな。ミニシリーズを除いて、職人シリーズ以外の切り絵というと、2005年に制作した日本舞踊の切り絵だけですね。

という訳で昔の作品を公開するのは今回で終わりです。次からネタに困りそうですね。

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2007年8月 9日 (木)

昔の作品その66。ポンテ・ベッキオ。

La_traccia67 作品66、「橋上の老乞食」。サイズは35×25cm。2001年9月制作。

フィレンツェ市内でしょっちゅう見かける目立つの人シリーズです。このおじいさん、いつも同じ服装で杖をついてヨロヨロしながら観光客にお金をせびっている。しかし、夕暮れになると背筋をシャンと伸ばして颯爽と帰って行く。ヨロヨロしているのは演技であった。本当は金持ちなんじゃないかという噂もあります。

場所はベッキオ橋の上。ここは観光コースでして、宝飾店が軒を連ねています。また橋にくっついて回廊が通っていまして(作品中で2階の部分)ウッフィツィ美術館からピッティ宮殿まで通じています。これは昔のフィレンツェを治めた君主が宮殿から当時は執務を行ったウッフィツィ美術館まで外を出ずに移動出来るように作られた物。ヴァザーリの回廊と言いまして、現在では肖像画の絵画が展示されています。予約を入れないと入場できないので(入場料も高いらしい)私は未だに入った事がないです。

作品で手前にある像は、フィレンツェの後期ルネッサンスの彫刻家・彫金家のベンベヌート・チェリーニの像。この人は職人として出発した人で、一番成功した人物なので現代でも優秀な彫金家はこのチェリーニになぞらえられる。

さて、このチェリーにの像を取り囲む柵ですが、一時期この柵に南京錠を付けるカップルが続出した。「二人の名前を南京錠に書いて柵に取り付けることで永遠の愛を・・・。」ということだそうです。何の根拠があってこの場所に?何千個もの南京錠がびっしりと付けられてましたな。まさに鈴なり状態。最近は罰金制度が導入されたんだそうですが、その前は市の職員によって切断されてたんだそうです。・・・ハハハ、ざまあないですな。永遠の愛は市の職員によって切断される!

イタリア留学中、最後の3年間住んでいた家がベッキオ橋の近くだったので、この橋を通らない日はほとんど無いぐらいでしたな。いろんな人と出会った。

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2007年8月 7日 (火)

昔の作品その65。山道を歩きながら。

La_traccia071_2 昔の作品65、「ビンチ村へ」。サイズは65×50cm。2001年9月制作。

フィレンツェからバスを乗り継いで30分ぐらいの所にあるビンチの風景。レオナルド・ダ・ビンチの出た所ですね。ダ・ビンチの生家は山の中にあるので、バスも走ってないから2、30分ほど歩く事になる。作品のようにオリーブの木が立ち並んでいる山道ですね。民家が2軒ぐらいあったかなあって感じ。この辺りはダ・ビンチの時代から変わらない風景なんでしょうね。地面を踏みしめて歩くのは気分の良いものです。

写真を取りに行ったのは5月末。オリーブの木は銀色の葉を付けていて、周りをひなげしの花が咲き誇る。こういう風景には雲一つない上天気よりも。春の嵐の前触れのような危うい天気がよく似合う。

この作品も水彩風に淡く塗った紙を貼ってありますが、ベースとなる紙(デザインナイフで切る紙)もいつもの黒い紙じゃなくて、筆で適当に黒やオリーブグリーンで塗った紙を切っています。パッと見、色鉛筆で描いた絵のようにも見えますね。この技法も悪くないんだけど、何か自分の目指す物と違うような気がするので、以後この技法は使ってません。やはり切り絵は黒い紙を切るのが一番美しいかも・・・。

さて、今家の近くで工事をやってます。10階建てのマンションが建つそうだ。うちは高台にあるので今まで見晴らし良かったんだけど、家の隣に立体駐車場が立つので何も見えなくなる。私が高校を卒業した年に今の場所へ引っ越してきたんですけど、当時は家の周りは畑が広がってました。雉が巣を作って卵産んでた事もあったぐらいです。いい感じだったんだけど、徐々に畑がつぶれて工場が建って行った。どうも緑が無いと殺伐とした気分になりますな。フィレンツェも私が住んでたところは緑なんて無かったけど、ちょっと足を伸ばせば手付かず(ほったらかし)の自然が広がっている。オリーブが、ひなげしが、糸杉が、葡萄が、ヒマワリが視界一杯に飛び込んでくる。ああいう場所だったから7年も住めたのかもしれませんね。

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2007年8月 5日 (日)

昔の作品その64。日曜日。

La_traccia66_2  作品64、「La domenica」。サイズは30×40cm。2001年8月制作。La domenicaはイタリア語で日曜日の意味です。

私はこういう生活をしているので、平日も休日も関係ないですが、イタリアでは日曜日は全ての店が閉まるので食料の買い出しなんかは平日にやっとかないとだめですね。

最近はフィレンツェも商売っ気が出てきたのか、中心部なんかでは日曜日も営業している店がありますが、私が留学を始めた頃は日曜どころか土曜日も店が休みになってました。あの頃は土日が退屈でしたねえ。今は少しでも時間があれば制作するのですが、当時はそういった癖が身に付いてなかったので。語学学校が無い日は何やっていいのかわからなかったたなあ。

この作品を作った頃は平日・休日関係なく制作してましたね。で、時々フィレンツェから日帰りで行ける距離の田舎町に写真を撮りに行ってました。ただ休日は電車・バスの運行は平日よりも少なめなので、平日に出かけることが多かったのですけど。

この作品の舞台はグレーべ・イン・キャンティ。ワインの有名な所です。たまたまやる事が無かったので、珍しく日曜日に遠出しました。町の中心部のドゥオーモ(町の一番重要な教会)前の広場でバイクがたくさん停まって若者がワイワイと・・・。古い物(建物)と新しい物(バイク)の取り合わせが面白いのでシャッターを押した。出来上がった作品はやけに楽しそうに仕上がったので、現在でも気に入ってます。

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2007年8月 4日 (土)

昔の作品その63。タルクィニアの市庁舎。

La_traccia067 作品63、「タルクィニアの市庁舎」。サイズは50×40cm。2001年7月制作。

工事中の建物を切り絵にしました。タルクィニアという町の市庁舎です。・・あまりこういうものを描く人というのもいないだろうなってぐらい地味なテーマですね。自分でも何でこんなテーマを選んだのか覚えてません。人が働いてる所を見るのが好きだからかな。この作品の後にも、この手の工事中の建物の切り絵を作ろうとして下絵まで描いた事があります。結局挫折して途中で放り出した。その方が良かったかもね。

「イタリア工事中シリーズ」なんて絵が売れる(受ける)わけないよなあ!

いやまあ、売れるとか受けるとかそういう事を考えるのは不純かもしれませんが、誰も見向きもしない作品を作って自己満足するというのはちょっとね・・・。

タルクィニアはローマから北へ100キロの所に位置する。エトルリア文明の遺跡で有名な町です。エトルリアというのはローマ以前にイタリアで栄えた文明ですね。町の外れにエトルリア時代の墓がたくさん発掘されてます。中味は博物館に移動されて空っぽですが、全ての墓室の壁面に絵が描かれています。2400年以上も経過しているのですが、まだ色が残っていてなかなか見ごたえがありましたな。

この頃は時々ローマのギャラリーでの合同展に参加していたので、帰りにいろんな所へ足を伸ばしてました。

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2007年8月 2日 (木)

・・・そんな大昔の物を!?

先日、私の両親はおフランスへパック旅行に行ってたのです。初のヨーロッパで、海外旅行が面白いという事がわかったそうです。まあ、今まで仕事が忙しかったから、仕事を何日も休んで旅行を・・・なんて事は出来なかったわけです。長年働いてきたから、これからはそういう楽しみも覚えて欲しいですね。

で、旅行へシャンプーとボディソープ類を持って行ったのですが、これは私が学生の頃バイト先で貰ってきた試供品だったんだそうです。当時近所のスーパーマーケットでバイトしてまして、ティッシュペーパーや石鹸、洗剤、歯磨き、ペットフードなんかを担当してたのです。時々、試供品とか余り物をもらって来てたのですが、何しろバイトしてたのは15年らい前なので全然覚えてないし、試供品のシャンプーがまだうちにあったなんて想像もしませんでした。そんなにたくさん貰ってきてたのかなあ。

15年も経ってるんだけど、けっこう使えたそうです。ただ最終日に使ったのだけは髪の毛がゴワゴワになったそうで、ホテルに置いてあったのを使ったと言ってました。・・・日本から持って行く必要は無かったわけですな。まあ、この機会に持って行かなければ、この後も洗面所の引き出しの中に眠り続けるという事になりますが。しかし、そんな古い物をよくもまあ使う気になったもんだ。

今でもそのスーパーは近所にあるので、時々買い物に行ってます。今、店内にあるパン屋さんのシールを集めています。あと1000円ぐらい買えば何か貰えるはずだ。楽しみだな。(食パン一山だったりして・・・。)

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2007年8月 1日 (水)

NHKのプロフェッショナルを見て。

NHKのプロフェッショナルと言う番組に私の師匠が出てました。師匠って言っても切り絵の師匠ではなく「心の師匠」です。京都の造園家の北山安夫先生です。以前にもこの番組に出てたんですけどね。今回は日本の職人特集だったので、10分ほど登場されただけでしたが。

芸術について「10人いる中で全員反対した物を作るべき。もし10人全員が賛成する物ならば、それは既に古いという事です。」と語ってましたな。未来まで残る作品を考えた場合の結論はこのようになるんだそうです。うーん・・・考えてもみませんでしたね。

6、7年ほど前だったけど、京都に遊びに行った時に私の切り絵を見せたら

「誰が見ても良い物を作れ。」

と言われました。番組内の発言とは180度違いますな。要するに私ではまだまだ、その境地に達してないという事です。今の私が「全員にNOと言われるような物を作る。」なんて言うと「100年早い!」と怒られるでしょうね。

目指すものはいろいろ変わっていくだろうな。今年に入ってから、このブログでも昔の作品について書いてますが、今の自分の考え方や理想は昔のそれとは違ってますからね。徐々に人は変わるという事だろう。今までも、そしてこれからも。

これから先、自分はどこに向かって、どこまで歩いて行けるんだろうか?まったく予想は出来ないんだけど、北山先生やこれまで知り合った多くの職人さん達を見てるとワクワクしますな。

そういえば最近京都にも遊びに行ってません。北山先生と最後に会ったの昨年の秋だったか・・・。つい忙しくてご無沙汰してしまっている。たまには休みたいですねえ。関係無いけど、今年はまだ焼肉とビールもやってないなあ。

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