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2007年5月 4日 (金)

昔の作品その55。日本画風にイタリアの風景を。

La_traccia58作品54、「春の訪れ」。サイズは65×30cm。2000年制作。

手持ちの写真をスキャナで取り込んだのでちょっと見にくいですね。下の画像はこの作品の主要な部分のアップです。

時々フィレンツェで個展をひらく大阪在住の陶芸家の方に、会うたびに意見をもらっているのですが(そういう意味では、この方も私の師匠と言えるかもしれない。)この時は余白について徹底的に考えろと言われてました。「画面全体の20パーセントだけ描き込んだ切り絵を作ってみろ。」という宿題を出されて制作。相当悩みましたけどね。

余白を作ることにより、見る側に想像させる。何も描いてないけど、そこに何かが見えてくる。これは日本画の考え方ですな。成る程、確かに今までのしっかり描き込んだ作品よりも空間の広がり(画面で描いてある奥にある世界。)時間の流れ(数秒後、数時間後、数日後、数年後の世界。)を想像する事が出来る。

まあ、あえて未完成にしておくと言う事でしょうね。で、見る側が想像力を働かせることで作品として完成する。これは何も日本画だけでなく日本文化の特徴と言えないでしょうか。

例えばお茶の世界。作法を強制するものではなく、割と融通がきく所があります。強制的に表現者が自分の世界を感じさせるのではなく、受け手に参加させる事によって世界を作り上げる。日本的な優しさに通じる部分ではないだろうか。

・・・うーん。ちょっと難しいな。上手く説明出来ない自分の文才の無さ・・・。途中で投げ出さずに読んでくださった方、すみませんね。

La_traccia58b この作品はモンテ・リッジョーネという町を描いたものです。昔の作品49がこの町の中でしたが、今回は麓から町の全景をデザインした。

丘の上に王冠を載せたような感じの円形の城壁に囲まれた町です。直径がだいたい歩いて3分ぐらいという、とても小さい町ですが、周りには葡萄畑が広がっていて、とても美しい。

鈍行のバスで行くのですが、初めて行った時にこの町が目の前に現れた時、思わず歓声をあげてしまいました。興奮気味に歩きまわって写真を撮りまくった。大変気に入ったので、以後10回ぐらい遊びに行ったな。

それだけ思い入れのある場所だったので、この作品もいつもより気合を入れて作ったっけ・・・。(そして何点か失敗作も存在するのです。見せないけどね。この作品は3度目の挑戦だったりします。)

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コメント

すご~い。
空気と時間の流れを感じます。
ものすごくせつない気持ちになります。

投稿 林本ひろみ | 2007年5月 4日 (金) 18時28分

林本ひろみさん、今の所この作品が風景では一番お気に入りの作品なのです。7年前の制作だからいい加減、超える物が出来てなきゃ駄目なんですけどね。

投稿 俊寛 | 2007年5月 4日 (金) 18時59分

[モンテ・リッジョーネ]の町をこの目で見てみたい
ホッとするお色どすなぁ^-^

投稿 こころん♪ | 2007年5月 4日 (金) 22時33分

いいですね~いい!!

天河で、能舞台の向こうに桜が見えていて、その空間に何とも言えない安らぎを感じ、大勢の中でただ一人、時間が止まったようなさかのぼって行く様な不思議な感覚を、覚えたのですがこの作品にも、そんな感じがありますね。

投稿 安田屋おりん | 2007年5月 5日 (土) 01時55分

こころんさん、フィレンツェで出会う旅行者に「近郊でどこか面白い場所がありますか?」と聞かれた時は、必ず「モンテ・リッジョーネが良いと思います。」と答えております。皆、満足するらしいです。

安田屋おりんさん、あくまで天河にこだわりますねえ。なんか、耳元でささやかれているみたいで、だんだん行きたくなってきてるかも。

投稿 俊寛 | 2007年5月 5日 (土) 08時45分

ああ~、やっぱりこういう空気感がいいです~。
たまりません。
本当に、余白を活かす…というか、余白に何かを感じるというのは、日本人ならではなんでしょうね。
海外の名画など見ていても、時々あまりにも隅々まで微細に描き込んであって息苦しくなるんです。
建築なんかも、ファブリックから何から、とにかくこれでもか!ってくらいぎっしりと模様が描いてあるし…。
美しいのは確かだけど、窒息しそう…。
その点、日本芸術はスカッと抜けているところが美しく、ホッとします。
想像で補う文化というのは、独特なんでしょうね。

>「画面全体の20パーセントだけ描き込んだ切り絵を作ってみろ。」という宿題
私も今度、自分なりのをやってみようかしらん…。
しかし、単なる手抜きにしてしまわないためには、相当な計算と完成度が要求されますな(^_^;

投稿 かわぞー | 2007年5月 5日 (土) 09時23分

美しいですね。
日本の「粋」が感じられます。

すいません、俊寛さんはとても丁寧に日本芸術についての説明をされているのに、私は表現力が乏しい上に努力してません。ずるいですね。

絵画や彫刻を鑑賞するとき
「自分がこの作品の良さをどれだけ解っているのか?」
と自らに問うことがしばしばあります。
でも、感想文を書いたり、まさか作者に感想を伝えるなんてことはしたことがないですから、上記の問いはやらない宿題のまま。

だから正直、かなり恐れ多いです。
これからもコメントしていきたいんですが、
本当に失礼をお許しください。

投稿 うさぴょん | 2007年5月 5日 (土) 10時51分

お久しぶりです!
素敵な作品だなあ〜〜〜〜〜。と思わず目が離せなくなった。
お華の世界では空間と作品のバランスを3:7にすると学びましたが、
この空間が日本の情緒あるところなんだよなあ。

イタリアで会えるときを楽しみにしています!

投稿 Emi Kameyama | 2007年5月 5日 (土) 20時14分

うん!
おりんさんが言うように、天河へは一度は行ってみるといいですよ。
感じるものがあるはずです。

投稿 くろきち | 2007年5月 5日 (土) 22時35分

かわぞーさん、そうそう。こういうことが書きたかったのです。すみませんね説明を補ってくれて。なんとか簡単に説明しよとしたんだけど難しいですねえ。
かわぞーさんの「20%切り絵」も見たいですね。この感覚を押さえておくと、複雑なデザインの切り絵を描いても、息苦しさを感じさせない作品に仕上げる事が出来ると思います。

うさぴょんさん、いえいえ、丁寧な感想をありがとうございます。私も他の人の芸術が100%理解できている事はありませんから。好き嫌いもありますからね。好きだったら、どんどん踏み込んで行くようにしております。

Emi Kameyamaさん、おっ!流石に基本を押さえてますね。丁度昨日、加藤さんと空間の配置について話したところです。日本人独特の感覚だね。

くろきちさん、うーん。最近私の周りでは「俊寛を天河に行かせよう計画」でも持ち上がっているのでしょうか???


投稿 俊寛 | 2007年5月 6日 (日) 11時51分

これはホントに日本の匂いがします。
色がいい! それに今にも草木のさわさわと音が聞こえてきそう。
なんだか草陰から覗いてるみたいな視線もアヤシゲでいい!

投稿 まめこ | 2007年5月 6日 (日) 22時54分

まめこさん、冬から春にかけて、頻繁にこの土地に通ってたんです。いばらと城壁は描こうと思ってたので、どの角度が絵になるかたくさんのスケッチをしたっけなあ・・・。そして行くごとに草木が芽吹いていく。リアルタイムで見ていたから、自然にこういうデザインになったんですね。

投稿 俊寛 | 2007年5月 6日 (日) 23時42分

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