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2007年4月12日 (木)

フィレンツェの風景シリーズ第1号。

Firenze001 15点同時進行で制作している「フィレンツェの風景シリーズ」の第1号が完成しました。

サイズは15×10cm。フィレンツェの市庁舎であるベッキオ宮殿の入り口の前に置かれている「ヘラクレスとカクス」の大理石像。作者はルネッサンス後期の彫刻家、バッチョ・バンディネッリ。像の後方に見えるのがフィレンツェで最も重要な美術館、ウッフィッツィ美術館です。

ヘラクレスはギリシア神話中、最強の英雄。化け獅子や百頭の大蛇、ヒドラの退治を初めとして12の難行を達成した。このヘラクレスに頭を押さえられて膝をついているのが巨人カクス。ヘラクレスの牛を盗もうとして倒された。

このヘラクレスとカクスの対になるように、ミケランジェロのダビデ像が置かれています。作者のバンディネッリはダビデを超える物を目指した結果、ものの見事に失敗。彼を徹底的に嫌うライバルのベンベヌート・チェリーニからも、ここぞとばかりに散々こき下ろされています。成る程、私なんかが見ても何人かの彫刻家が部分部分を作って、後で継ぎ合わせたような、まとまりのなさを感じますな。

バンディネッリとしては失敗作であるこの彫刻が、フィレンツェでも一番目立つ位置に置かれている為に(しかも隣はダビデ像だし、向かいにはライバルであるチェリーニの最高傑作、ペルセウス像があります。)500年の間、フィレンツェの人達から「粗野で野暮で趣きに欠ける彫刻」として馬鹿にされ続けています。そんなに酷い作品ばかり生み出した彫刻家ではなく良い作品もあるのですが、この像のイメージが強い為か彼の芸術家としての評価はかなり低いようです。

そりゃまあ、この像に関しては私もそう思いますが、複製も作られず雨ざらしのまま立ち続けているヘラクレス君を見ていると、なんとも言えない愛着が湧いてきましてね。彫刻全体から受ける不安定さや不器用さも、周りから賞賛を受けた反面、恐れ忌み嫌われたヘラクレスの時に脆くさえある内面が表現されていると言えないでしょうか?

という訳で「ヘラクレスとカクスは」ずっと作りたかったモチーフ。今回のフィレンツェの風景シリーズでは真っ先にデザインしました。仕上げた時スカッとしましたな。

俊寛は「ヘラクレスとカクス」を応援します。

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コメント

この大きさでこの絵は感嘆です。
ブロックの彩色が細かく丁寧で立体感がありますね。
また、彫刻もエアブラシが効率よくされ、全体的にもまとまってイイですね。

投稿: ダニーボーイです | 2007年4月14日 (土) 08時58分

ありがとうございます。
大理石やブロンズ像を切り絵でやるのって好きなんです。好きだから、ついこだわってしまいますね。
ヘラクレスとカクスの像はあまり評価は高くないけど、後ろの石積みと美術館のコンクリートと、風景の一部として見ると実に絵になると思います。

投稿: 俊寛 | 2007年4月14日 (土) 12時08分

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