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2007年4月13日 (金)

ペルセウス。

Firenze002 フィレンツェの風景シリーズNO2、ペルセウスの像。サイズは10×15cm。ペルセウスはギリシア神話に登場する英雄で、頭髪が蛇でその姿を見た者を石に変える女怪物・メドゥサを退治した。このブロンズ像の作者は、昨日のブログで公開した「ヘラクレスとカクス」を制作したバッチョ・バンディネッリを徹底的に嫌いぬいたベンベヌート・チェリーニです。

チェリーニは元々は彫金家をやっていたのですが、後に彫刻の方面まで才能を伸ばしました。このペルセウスの像は当時の技術では作る事が出来ない大きさだったのですが、天才的な才能を持つチェリーニはこれを完成させ、口の悪いフィレンツェ市民からの賞賛を浴びたとされています。

職人としては最も成功した人物でしょうね。現在でもフィレンツェの彫金家で腕の良い人は「現代のチェリーニ」というような感じのあだ名で呼ばれる事があります。私が毎年参加しているコルシーニ庭園の職人展のグランプリは、この偉大な職人にちなんで「ペルセウス賞」という名前です。

フィレンツェ風景シリーズの1番目は個人的に好きなヘラクレスとカクスの像でしたが、あれを作る以上はこのペルセウスもやらなきゃ、というわけで2番目にこのモチーフを選択しました。フィレンツェに住み始めた初期の頃に一度この像をモチーフに切り絵を制作していたのですが、あの時はモノクロの作品でしたし、あれからもう10年経ってますからね。

久々に描いてみましたが、いやあ、やはり素晴らしい彫刻ですな。全体の構成、緻密な細工、ドラマチックな表現、まるでメドゥサの魔力によって時が凍結したかのような臨場感。どれだけ美辞麗句を尽くしても、この像の魅力を表現出来ませんな。私の切り絵では顔の表情までは描ききれませんでした。サイズ的に小さすぎましたね。ああ、もっと大きなサイズでデザインすべきだった!知名度では同じ場所に設置されているミケランジェロのダビデ像に劣る物の、私としてはフィレンツェに置かれている彫刻の中では最高傑作だと思います。

昨日のブログでヘラクレスとカクスの像を弁護しましたが、このペルセウスを前にしては評価が低いのも当然でしょうね。・・・なんて書くと「人は顔じゃない。君にも良い所はたくさんあるんだから。」と言っておきながら、いざ目の前に美女が現れると醜女を捨てて美人に走る不実な男みたいですね。まあ、美とは残酷なものです。

ダビデ像もやりたかったのですが、像を主役に2点作っちゃったので今回はパスですね。やっぱり今回のシリーズは15点じゃ足りないなあ。もっと作ろうかなあ。

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コメント

いやぁ~、ナイフの切れが冴え渡ってますなぁ~
昨日のヘラクレスとカクスの像に引き続き。

ヘラクレスとカクスの像の作品を見た後、ちょうどシニョーリア広場を通りかかりました。
そこには同じ空気がありましたよ。
全作品が並ぶ5月のコルシーニ宮が本当に楽しみです~

投稿: YOKOTA@フィレンツェ | 2007年4月14日 (土) 18時12分

ありがとうございます。ヘラクレスとカクスも悪くないでしょ?(と仲間に引き込もうとする。)

シニョーリア広場って良いですよね。フィレンツェに住み始めた時、同じ語学学校に通っていた友達が「あたし、この場所大好き!一番フィレンツェらしい場所って感じで。」てな事を言ってました。その言葉が刷り込まれているみたいで、私もフィレンツェの風景というとシニョーリア広場が思い浮かびます。(でもシニョーリア広場自体は今回描かなかったのですが。)

投稿: 俊寛 | 2007年4月14日 (土) 20時01分

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