ある偶然から。
トリノからフィレンツェに戻って、しばらくの間はのんびりと過ごしていました。
知り合った職人は合計して30人以上。帰国3日前からあいさつ回りをしていくのですが、あいさつしなきゃならん人は職人だけじゃないので、ほとんど一週間前からいろんなところに顔を出して「多分、今年はこれでお別れになるのでお元気で。」てな事をやってました。
画像はステンドグラス職人のマリオ・スパタリさん。(詳細は私のホームページをご覧下さい。)彼は私が職人展に参加する前年に観客として見に行った時に展示していた職人さんです。翌年からは職人展に参加する事はなかったのですが、 一応毎年あいさつには行ってます。
ただ今年はマリオさんとは結局会えなくて、私が顔を出した時はいつも長男のディエゴ・スパタリさんが働いてました。
しばらくディエゴさんと世間話をしてまして、今年の職人展に誰が出てたのか聞かれました。たまたま職人展のカタログを持っていたので、見せてあげた。
「ああ、この婆さん、まだ生きてたのか。」
「この人アル中だよな。オレは展示会に一緒に参加した時に、ずっと飲み続けていたのを見たぞ。」
「ああ、この人は貴族の出だ。職人としてはたいした腕じゃないけど、こういう人からは参加料取らないんだよな。で、オレ達からはきっちり参加料を取ると。」
なんて悪気は無いものの失礼な事を言って、二人で笑ってました。(最後のは聞き捨てならん話だが・・・。)
ところが、笑いながらカタログのページをめくってたディエゴさんの顔色がサッと変わった。ヴィンチェンツォ・ティローニさんのページでした。北イタリアのトレントから来た職人さんで、銅で鍋やフライパンを作る方です。フィレンツェには銅製品の職人さんが私の知る限りはいないので、展示会の時に珍しいなと思い見てました。
「この人の連絡先、控えてもいいかな?」とディエゴさんに言われた。別に構わないけど何でさ?と聞くと、
「この人の苗字、オレと同じなんだ。」
「?」
「オレには二つ苗字があるんだ。スパタリとティローニ。」
よくよく聞いてみると、ディエゴさんの本当のお父さんは彼が小さい時に亡くなられて、その後お母さんはマリオ・スパタリさんと再婚したので、ディエゴさんもスパタリ家に実のお父さんの苗字を残したまま入ったんだそうです。
で、ティローニ家というのは北イタリアのベルガモの高名な銅職人の家系なんだそうです。ティローニという苗字もイタリアであまり多い苗字ではない。唯一ひっかっかるのは、場所がベルガモとトレントの違いがあるという事ですが、山を一つ挟んでるけど直線距離にすればせいぜい50キロ程度です。ひょっとして親戚かもしれない。
「オレの叔父さんだったりしたらいいな・・・。」
と言ってました。思わぬ展開にびっくりしました。本当に親戚だったら良いよね。ディエゴさんは近いうちに電話してみて、お父さんの親戚だったらいろいろ話を聞きにトレントに行くんだそうです。
あいにく、この後彼らの工房を訪ねる事は出来ずに帰国してしましました。この話の結末がどうなるか、それは来年の楽しみですね。
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コメント
うわわ~ドキドキしますね~!
ご親戚だったらいいな~!
遠い日本から行った俊寛さんが
縁の糸をつないだことになったら
素敵ですね♪
投稿 mau | 2006年7月21日 (金) 08時13分
mauさん、いやまったく、人の縁って不思議ですね。
ディエゴさんにメールしてどうだったか聞く事も出来るけど、来年までいろいろ想像して楽しもうかなあって・・・。(ロマンチックな話がけっこう好きなんです。)
投稿 俊寛 | 2006年7月21日 (金) 13時08分