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2006年7月28日 (金)

仲のいい職人さん、その2

Penko001 前回に引き続き、仲の良い職人さんの紹介です。

彫金家のパオロ・ペンコさん。画像は3年前の職人展でペンコさんのブースにて。ペンコさんについては、ホームページやこれまでのブログでも度々登場してます。

前回のブログで紹介したバンキさん達が職人という事を離れても友達でいられるのに対して、この方はお互い職人であるから友達になったのです。

知り合ったのは、2002年、コルシーニ庭園での職人展でペンコさんのブースを見て、その数日後、偶然彼の店の前を通りかかったので「ああ、この店だったのか。」と外から中を見ていたら、正面で仕事をしていたペンコさんと目が合って「やあ。」といった感じでドアのロックを開けて招き入れてくれた。後でペンコさんの弟子のA嬢(日本人です。2年前から働いてます。)あまりお金無さそうな人は店に入れないから、珍しい出来事なんだそうです。あの時は色あせたシャツに迷彩ズボンにサンダル履きっていう、見るからにやる気の無さそうなかっこだったから、よく入れてくれたもんだよね。

で、その時から彼の切り絵を作る事になり、度々通ってました。ペンコさんはけっこう人見知りする性格だったらしく、あまりお喋りはしませんでした。しかし、それでも何かエネルギーをもらってるような気がして、店を出る時には「よーし!やるぞー!」と気合が入ってましたな。

翌年、ペンコさんの推薦で職人展に参加することになり、フィレンツェに滞在中はちょくちょく油を売りに行ってます。最近ではペンコさんもすっかりくだけて、オヤジギャグを連発している。・・・背は高いし、男前だし、職人としても一流だし、奥さんはすごい美人だから(もうボッティチェッリ描くところのビーナスみたいに)かっこいいなあと思ってたんですけどねえ。

後にA嬢から聞いた話ですが、ペンコさんも私の事をすごく高く評価してくれてまして、何かあれば私の事を引き上げようとしてくれてます。こうなると、ほとんど私の兄貴分といった感じです。

また、昨年の職人展の前日に「俊寛は今年どんなのを出すんだ?」と聞かれたので、「職人シリーズ8点、ミニシリーズ15点・・・とにかく去年出した物よりは確実に良くなってるよ。」と言った。「フーン。でも、うちの作品もすごいぞ。」と言うので「いや、うちのだってかなりいいはずだ。」「いやいや、うちのだって・・・。」などと、段々お互いのテンションが上がって行き、両者の中間でバチバチと火花が散った。私に対してライバル意識さえ持ってくれてるみたいです。ちなみにペンコさんの弟子のA嬢は、親方の事をものすごく尊敬していまして、その親方すら尊敬する男が俊寛なわけなので、この2人が闘志を燃やす場面を目撃して、喜びのあまり悶絶していた。

日本に出発前、最後にバンキ父子とペンコさんの所に挨拶に行ったのですが、バンキさんたちとは、バールでゆっくり飲み物を飲んだ後、全身で抱き合って別れを惜しんだのですが、その後ペンコさんの店に行ったら、間の悪い事にお客さんが来てました。だからほとんど時間は無かったのですが、それでもペンコさんは一生懸命、出来るだけいろんな事を言わなきゃと努力してたみたいで、そわそわしてましたな。何か、すごくペンコさんらしい別れ方で、私はすごく満ち足りた気分で帰国の途につきました。

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コメント

一流の職人さんに、火花を散らしてもらえるなんて…
嬉しさのあまりそのまま気を失うかも♪
負けられませんね!

ところで「仕事ばんざい」検索して見つけました。
図書館で借りてきまーす♪

投稿: mau | 2006年7月28日 (金) 10時44分

mauさん、本当に光栄な話です。職人展に初めて参加した時は私の事が心配だったようで、自分のブースを奥さんに任せて何度か私の方を見に来てくれてました。

本、見つかりましたか。訳者の中嶋先生が「4000冊しか刷らなかった。」と言ってましたから、けっこう貴重かもしれませんね。

投稿: 俊寛 | 2006年7月28日 (金) 13時18分

そんな出会いがあったんですねー。職人でない僕には、うらやましすぎです。
 ペンコさん愛嬌があっていいですよねー。でも職人さんだから仕事はきびしいんだろうけど・・・。
 それにしても、僕もお店に入れてもらえてよかったですー。

投稿: takeshi | 2006年7月29日 (土) 00時02分

takeshiさん、職人シリーズをやってるおかげで、普通では入れないような場所に行ってます。たまに商品をコピーする中国人と間違えられて追い払われる事もありますけどね。
ペンコさんもねえ・・・性格、丸くなったかもしれない。典型的なフィオレンティーノだから、閉鎖的な所もあったんですけどね。
普通の人なら入れてくれますよ。フィレンツェは観光地だから、物乞いとか偽ブランド品を売る中国人・アフリカ人は多いから、そういう人は店に入れないという意味で。私みたいにお金無いくせに長く住んでる留学生は、新しい服を買えないからどんどん貧乏臭いかっこになっていくので・・・。今はあまりひどいかっこはしてないですよ。

投稿: 俊寛 | 2006年7月29日 (土) 00時15分

確かに怪しげなブランド物売ってるそういう方たち見かけますねー。怪しすぎて、絶対かいませんけど。
 せっかくフィレンツエに行くんだから、職人がつくったものがいいですねー。今回は、マンニーナさんとこでサンダルてにいれましたー!

投稿: takeshi | 2006年7月31日 (月) 22時22分

takeshiさん、おお!マンニーナさんの所も行っんですか。店の正面の建物の3階の窓が留学中ずっと下宿していた部屋だったんです。だから、マンニーナさんは一番最初に知り合った職人さんなんですけどね。
あの辺は裏通りに入っても渋い職人の工房は多いんですよ。

投稿: 俊寛 | 2006年7月31日 (月) 23時06分

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