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2006年6月13日 (火)

スカリオーラ職人、チンツィア

Cinzia001 職人紹介6人目、スカリオーラ職人のチンツィア・ファビオラ・ルンゲッティさん。女性の職人さんです。

「スカリオーラ」とは石膏にはめ込み細工を施す伝統技術です。板状にした石膏に模様を彫刻し、顔料や蜜蝋を混ぜた石膏を流し込み、表面が均一になるように削って仕上げる。フィレンツェ風モザイクと似ていますが、自由に色が使えることと、モザイクよりも安価で早く作品が仕上がります。また、石膏は適切な処理をすれば、大理石に劣らない硬度を持ち、研摩、カットして光沢を出すと、大理石とはまた違った、暖かみのある作品となる。

16世紀ごろフィレンツェで誕生し、短期間の間に他国の国王への献上物とされるほどの作品が生み出されて行ったが、ここ100年間ほど技術を伝承する職人が途絶えた状態でした。

チンツィア・ファビオラ・ルンゲッティさんは、元々フィレンツェ大学で文学の博士号を得た人なのですが、その後、彫石の修復技師としての免許を取得、古い資料を調べ、何度も実験を繰り返して、この技法を復元させることに成功しました。テーブルや額縁、窓枠などに果物、花、幾何学模様の装飾や風景画などをこの技術で制作しています。画像はチンツィアさんの代表作とも言えるオウムのスカリオーラ。(絵葉書からスキャナで取り込んだので、画像が荒っぽいですがご容赦下さい。)鳥が好きだそうで、よくモチーフに使われています。Cinzia002

下の画像は丸テーブルを制作中。大理石をはめ込んだように見える。これはほぼ仕上げの段階で、小さい気泡なんかを埋めている所。

この方はコルシーニの職人展の常連。2001年に東京と大阪の伊勢丹で開かれた職人展にも来ているので、コルシーニの職人展では代表的な職人さんの一人。ただ今年は他の展示会に参加するとかで不参加でした。最近ぼろぼろと有力な職人が不参加になって行く・・・。見に来てはくれましたけどね。

すごく、のーんびりとした独特の喋り方をするので、一緒にいると和みます。工房がピッティ宮殿の真正面にあるので、この工房の取材が終わった後でも、近くの工房を取材した帰りに時々油を売りに行ってました。

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