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2006年6月16日 (金)

モザイク職人、フランコ(前編)

Traversarii001  職人紹介9人目、モザイク職人のフランコ・トラベルサーリさん。

友人で彫金家のパオロ・ペンコさんの店にちょくちょく油を売りに行ってましたが、ある時どこの工房を取材したか聞かれました。

「アゴスティーノさんって仮面職人、彫金家のマルコ・バローニ、スカリオーラのファビオラ、それから・・・。」と説明したのですが、どうも彼は途中から何かを思いついたらしく、むっつり黙り込んだ。多分この時点で私の言葉は耳に入ってないらしいのですが、突然「トラベルサーリ!!」

と叫んだ。「何です、それ?」と聞いてみたら、2年前にフィレンツェで行われた合同展で一緒だったモザイク職人との事でした。「フィレンツェ式のモザイクなら、この2月にスカルペッリ父子をやってるじゃない。」と答えたら、「違う!全然違う物を作ってる!」との事。あれよあれよという間にトラベルサーリさんの工房に電話をかけて、翌日取材に行く事になっていました。

さて、ひとくちにモザイクと言ってもいろいろと種類があります。まず基本となっているのは石を細かく砕いて、点描のように貼り付けて絵や模様を作るという物。ポンペイの遺跡の壁や床なんかに見られる。銭湯の壁の富士山の絵なんかは、石の代わりにタイルを使ってますがモザイクと言えますね。(最近そういう古典的な銭湯ってあるのだろうか?)

この石をガラスに変えて、自由自在に色を作り出すのがビザンチン・モザイク。ガラスのサイズはだいたい2cm四方ぐらい。ラベンナの教会の壁に装飾されている物が有名ですね。

そして微細なガラス片で本当に点描のように仕上げるのがローマ・モザイク、またの名をミクロ・モザイクと言う。

この他にも既に2月にこのブログで紹介したフィレンツェ・モザイクがありますが、トラベルサーリさんの所はこれらのモザイク全てを扱っています。何人も職人を雇っている大きな工房という事ですね。Traversari002 娘さんと息子さんも一緒に働いています。

下の画像はミクロモザイク。8cm四方ぐらいのサイズでベネツィアの風景をこの技法で作っている所です。写真中に色とりどりの棒状の物が見えますが、これが細長く引き伸ばしたガラス。これを1cmぐらいの長さに切って、ピンセットでつまんで、油粘土の上にみっしりと隙間無く並べていく。全て並べ終わったら接着剤で固定して完成。

・・・この仕事も根気のいる作業ですな。ともあれフィレンツェでは珍しいので、今期に制作する事になりましたが、このものすごく細かい物をどうやって切り絵にすりゃいいんだろう・・・。翌日、パオロ・ペンコの店に取材の報告に行ったら「どうだった?」と聞かれた。

俊寛「難し過ぎる!!」

ペンコ「何が難しい!?やれ!」

と言われた。本当、どうやって切り絵にしろてえの?

次回はこの工房で作られるビザンチン・モザイクを紹介します。

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コメント

これ、これ、私も楽しみにしてますので!!!ってか、フランコの仕事姿、なんだかおじいちゃんの仕事って感じがするんだけど。。。うちの工房にきていたときは颯爽としていたけどな。。。でもこのひと、意外とうるさいんだよね。人の話聞かないし。うちの話の通じないマエストロと話するとそりゃ、もう、大変で。

俊寛さんに見せたトスカーナの風景、できあがりました。なんだかわりとすっと色も決まって、一週間で完成。できたらUpしますのでご覧あれ!

投稿: yossy | 2006年6月16日 (金) 08時14分

フランコさん雄弁だからね。yossyさんのマエストロと話をしている風景を想像すると、なんだか笑える。いろんな意味で我が強いからね、みんな。

トスカーナの風景、もう出来たんですか。早いなあ。私の方は今のところ下絵2点終了・・・。頑張らなきゃねえ。

作品の画像、楽しみにしてます。

投稿: 俊寛 | 2006年6月16日 (金) 13時22分

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