« 名画を切り絵でその4 | トップページ | 名画を切り絵でその6 »

2006年3月20日 (月)

名画を切り絵でその5

lippi023 今回はカラバッジォ作「バッカス」です。フィレンツェのウッフィッツィ美術館所蔵。

画像は名画シリーズその3.その4同様、A4サイズ。下絵なので左右逆に描いています。

バッカスはローマ神話の酒の神ですね。絵画において神話はポピュラーなモチーフですが、多くは犯しがたい神聖さや気品、近寄りがたい威厳や風格を持たせながら描かれるのですが、カラバッジォは近くにいる人に仮装させて、理想化も美化も一切せずに描いています。この絵もなんだか目が据わってるし、「バッカスの仮装をした男」とタイトルを付けた方が良さそうな感じです。

それだけ生々しいという事でしょうな。彫刻家のドナテッロもキリストの十字架像を作った時に、あまりに人間的過ぎたために「農夫」と友人の彫刻家、ブルネレスキに評されたという話が残っています。宗教的な敬虔さを見た人に抱かせなければならない、という基準から見ると評価は下がるのでしょうね。現在ではドナテッロもカラバッジォも高く評価されています。時代や流行によって絵の価値が変わるというのも考えてみれば不思議だ。

カラバッジォはルネッサンスから1世紀後「バロック」と呼ばれる時代に生きた画家です。性格が悪くて、喧嘩で人を殺して、逃亡の末若死にしたと、随分すさまじい人生だったようです。ちなみに私はフィレンツェにある絵の中ではこれが一番好きです。好きな芸術家はミケランジェロ、チェリーニ、カラバッジォです。・・・クセのある人ばかりだ。

|

« 名画を切り絵でその4 | トップページ | 名画を切り絵でその6 »

コメント

先日のリッピより、こっちのがステキですね!
やっぱり好きな画家だからかな。
私はカラバッジォなら、「聖パウロの改宗」が好きです。あの絵は、きっと画家の魂の渇望なんではないかなって気がします。
破滅的な人生を送った人ですから、彼は何か聖なるものの一撃を欲しがっていたのかもしれない。
あの強い光と影の対比は、まるで地獄の底から天を見ているような感じでもありますね。

投稿: てんこ | 2006年3月21日 (火) 09時44分

いやあ、おっしゃるとおり!
文才無いから、何故カラバッジォが好きなのか上手く表現出来ませんでしたが、つまりまあそういう事です。

ところで、この「バッカス」ですが、多分カラバッジォの自画像でしょうね。そう考えると、喧嘩っ早い性格だから、じっと見つめると「何ガンつけてんだ?」と懐に隠し持っている短刀を出してきそうな感じです。目が据わるほど酔っ払ってるからなあ。

投稿: 俊寛 | 2006年3月21日 (火) 13時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/156886/9168242

この記事へのトラックバック一覧です: 名画を切り絵でその5:

« 名画を切り絵でその4 | トップページ | 名画を切り絵でその6 »